クラウドサービス市場の次なる“激戦区”はどの分野か。同市場をリードするAWSの新たなサービスから探ってみたい。
米Amazon Web Services(AWS)の日本法人アマゾンデータサービスジャパンが7月14日、AWSがここ数カ月で新たに提供を始めたクラウドサービスについて記者説明会を開いた。いくつかの新サービスが紹介されたが、その中でこの市場の次なる“激戦区”になるのではないかと感じた分野について、筆者なりに考察してみたい。
まずはAWSクラウドサービスの最新状況を記しておこう。説明に立ったアマゾンデータサービスジャパン技術統括本部ストラテジックソリューション部長の大谷晋平氏によると、「2006年にスタートしたAWSクラウドサービスは現在、190以上の国において100万を超える登録アカウントからなる顧客企業に利用されており、その業種も規模も多岐にわたっている。日本でも数万社に利用されている」とのこと。
具体的なサービスの内容については、図1に示すように40種類以上からなり、「これらを必要に応じて組み合わせて使っていただけるようにしている」(大谷氏)のがAWSの特徴だという。また、それらのサービスの機能強化・改善については、毎年ほぼ倍増ペースで行われており、2014年には516個を数えたという。さらに「2015年も5月末時点で275個に達しており、イノベーションが加速している」(同)としている。
今回、新サービスとして紹介されたのは、リレーショナルデータベースとしてクラウド上で一段と可用性やスケーラビリティを高めた「Amazon RDS for Aurora」、イベントをトリガーにコードを実行するコンピュート処理サービス「AWS Lambda」、APIを容易に作成および管理できる「Amazon API Gateway」、ビッグデータの予測分析を可能にする「Amazon Machine Learning」、NFS(Network File System)によってファイルアクセスできるストレージサービス「Amazon Elastic File System(Amazon EFS)」、モバイルアプリの開発およびテスト環境を効率的に実現できる「AWS Device Farm」など。
AWSを利用する技術者にとってはいずれも注目すべき新サービスだが、筆者としてはこの中からとくにクラウドサービス市場の次なる激戦区になり得る分野として、Amazon API GatewayとAmazon Machine Learningに注目したい。
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