新たに資源管理や災害対策、セキュリティなど5種類のソリューションを開発、人員規模も現在の5倍に増やす。
NECは7月23日、「モノのインターネット」(IoT)技術を活用した社会ソリューション事業の展開を強化する方針を発表した。新たに5種類のソリューションを開発。また、IoT関連システムの人員も2020年までに現在の約100人から500人体制に増強する。
同社は近年「社会ソリューション」に注力しており、SDNやビッグデータ、クラウド、サイバーセキュリティなどの技術を生かしたIoT事業を推進しており、国内では日本海溝での地震・津波の観測網の構築や発電所でのシステム障害の予兆監視などに取り組むほか、海外ではシンガポールやブラジル、スペインで街づくりを支えるITインフラを提供しているという。
IoTでは多数のセンサ機器などデータや情報を収集、分析することで、課題解決や価値創造につなげる役割が期待されるとし、会見した取締役 執行役員常務 CMO(最高マーケティング責任者)の清水隆明氏は、IoT領域における同社の役割が、「ソリューションプロバイダー」「イネーブラー」「オーケストレーター」であると説明した。
今回、新たに開発したIoTソリューションは、「土砂災害検知・予測」「水需要予測」「電力需要予測」「画像・重量検品」「VIP検知接客支援」の5つ。いずれも同社のセンシングや解析技術を活用して、大量のデータからユーザーのビジネスの拡大、効率化、高付加価値化を実現していくものになるという。各ソリューションの概要は次の通り。
ソリューション | 内容 | 対象 | 提供時期 |
---|---|---|---|
土砂災害検知・予測 | 土中水分量を解析して土砂斜面の崩壊の危険度をリアルタイムかつ高精度に算出。従来と同じコストで広範囲にセンサを設置できる | 官公庁・自治体 | 2015年度下期 |
水需要予測 | 過去の水利用履歴から配水対象エリアの需要量を正確かつ詳細に予測。運用コストを低減する | 自治体、水道事業者 | 2016年度 |
電力需要予測 | 過去のデータから将来の電力需要量を30分単位で予測。事業者の発電や電力調達計画等の効率的な運営を支援する | 新電力 | 2015年7月末 |
画像・重量検品 | 画像認識技術と重量計を活用して検品対象の品目と数量を瞬時に特定。自動で正誤確認ができ、物流での出荷検品業務の効率化と品質確保を同時に実現する | 物流 | 2015年7月23日 |
VIP検知接客支援 | 映像データを顔認証技術で解析し、VIP顧客を見つけておもてなしを可能にするほか、不審者の検出で店舗の安全性も強化する | 小売・サービス | 2015年度下期 |
同日発表した「画像・重量検品」ソリューションは、特に人手による目視確認に頼った現場作業の効率化でニーズが高く、品質を確保しながら自動化による検品業務の効率化を可能にするという。同社では今後3年間で50社の導入を見込む。
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