“攻めのIT”を考える情シスリーダーが今後知っておくべき注目の技術「Docker」を基本から応用まで解説します。今回のテーマは「DockerコンテナをLinuxコンテナの特徴と比べながら、違いと活用のコツを理解する」です。
いよいよ、Dockerコンテナを具体的に解説していきます。Dockerコンテナの理解を進めていただくため、今回はLinuxコンテナの特徴と比較しながら解説します。
Linuxコンテナは、旧バージョンのDockerのコンテナエンジンとして使われていた経緯があります。現在のDockerは、Linuxコンテナなしで稼働することができます。LinuxコンテナやDockerは、フリーLinuxとして日本でも定評のあるCentOSやUbuntu Server(ウブンツ サーバ)などに簡単にインストールすることができます。もちろん、商用OSであるRed Hat Enterprise Linuxや欧州で根強い人気のSUSE Linux Enterprise Serverなどでも問題なく稼働します。
FreeBSDはどうでしょう。実は、2015年6月にFreeBSDで稼働するDockerが実験的にリリースされました。そのため、FreeBSD上でもDockerのDevOps環境が手に入るようになりました。FreeBSDにおけるDocker対応に関する情報は、こちらから入手できます。
ホストOS | Linuxコンテナ | Docker |
---|---|---|
Red Hat系Linux OS | 動作可能 | 動作可能 |
SUSE系Linux OS | 動作可能 | 動作可能 |
Debian系Linux OS | 動作可能 | 動作可能 |
BSD系OS | 動作不可 | 動作可能だが実験段階のレベル |
Windows系OS | 動作不可 | DockerエンジンにLinuxの仮想マシンが必要 |
Linuxコンテナは、BSD系のOSやWindows系のOSでは稼働しません。Linux環境のみで稼働します。一方のDockerは、Windowsでも稼働させることができるソフトウェアの登場や、次期Windows ServerにDockerエンジンの搭載が予定されています。特にDockerにおけるWindows対応に大きな関心が寄せられています。
ただし、現時点(2015年8月時点)でDockerを企業内で使いたいならば、ホストとなるOSはLinuxにしておくのが無難です。また、最近はよく取り上げられるDockerの新機能や先進性に対して、ホストOSの種類についてはあまり議論されない傾向にありますが、ホストOSのファイルシステムやネットワークまわりの設定や管理もあります。ホストOSは、Dockerが対応していて、使い慣れたLinux OSを採用するようにしてください。
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