インターネットを経由しないDockerプライベートレジストリに、ユーザー認証を用意することで、社内LANなどにDockerイメージ配信システムを構築できます。今回はこのユーザー認証付きのプライベートレジストリを用意する具体的な方法を解説します。
前回は、Dockerプライベートレジストリ(DPR)にユーザー認証を付ける方法の概要を紹介しました。今回は、ユーザー認証機能つきのDockerイメージ配信システムを社内LAN上に構築する具体的な方法を紹介します。以下は、ユーザー認証付きの社内配信用のDPRのシステム構成案です。システムのゴール、手段、メリット、想定ハードウェアとソフトウェアの構成を以下に示します。
ユーザー認証機能付きDPRの構築手順は以下のとおりです。
ホストOSは、CentOS 7.3.1611(以下、CentOS 7.3と表記)を想定します。また、Dockerエンジンは、2017年9月時点での最新バージョンである「17.06.2-ce」(Docker エンジンのコミュニティエディション)を使用します。各マシンの役割、ソフトウェア構成、ネットワーク構成は、以下のとおりです。
| 物理マシン | サーバ1号機 | サーバ2号機 |
|---|---|---|
| 役割 | DPR | クライアントマシン |
| ホストOS | CentOS 7.3 | CentOS 7.3 |
| Dockerエンジン | 17.06.2-ce | 17.06.2-ce |
| ホストOSのIPアドレス | 172.16.1.100/16 | 172.16.1.101/16 |
| ホストOSのゲートウェイ | 172.16.1.1 | 172.16.1.1 |
| ホストOSのDNS参照先 | 172.16.1.254 | 172.16.1.254 |
| ホスト名 | n0100 | n0101 |
| レジストリの認証情報 | YMLファイルに保持 | − |
第48回 Dockerプライベートレジストリにユーザー認証を付けるには(概要編)
第45回 「プライベートレジストリ」を知る――HPEが使っているDockerイメージ管理
第46回 Dockerのプライベートレジストリを活用する(準備編)
第47回 Dockerのプライベートレジストリを活用する(運用編)
第42回 Dockerイメージを「Quay.io」で管理する(準備編)
第43回 Dockerイメージを「Quay.io」で管理する(セキュリティ編)
第44回 Dockerfileを「Quay.io」で管理するCopyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.