変革に挑むリーダーの支えが生きがい、“出会い系コンサルタント”の素顔――國生恭子さん「コンサルタント」という生き方(1/4 ページ)

顧客が抱える課題の解決策を提供する職業、コンサルタント。名乗れば誰でもなれる職業ではあるが、その実態はよく分からないという人も多いのでは。今回はリピート率100%という驚異の実績を持つ“プロ”にその仕事内容とこだわりを聞いた。

» 2015年11月04日 08時00分 公開
[池田憲弘ITmedia]

 突然だが「社内のこの制度を変えたい」「新しい部署を立ち上げたい」と思ったことはあるだろうか。あるいは、そういった信念を持って行動を起こしている人を見たことはあるだろうか。

 その挑戦する意志とは裏腹に、社内外から反発を受けるなど、現実は厳しいことも多々ある。そんな彼らの心強い味方となるのが「コンサルタント」と呼ばれる人たちだ。しかし、コンサルタントというと、自分たちとは異なる、縁遠い世界だと感じる人も多いのでは。彼らが日々どのような仕事をし、何を考えているのかはよく分からないことが多い。

 「コンサルタントは、社内外で新しいことをしようと企てる“変革のリーダー”たちの味方です」

 こう話すのは、日本IBMで組織・人材変革の戦略コンサルタントとして働く國生恭子さんだ。コンサル歴8年の彼女は“リピート率100%”という驚くべき実績の持ち主。一度担当したクライアントが、再び彼女に仕事を頼む理由はどこにあるのだろうか。

「社内ニート」からの復活劇

photo IBMでコンサルタントを務める國生恭子さん。“リピート率100%”という驚くべき実績の持ち主だ

 組織風土改革、グローバル人材の育成、社内ソーシャル(SNS)を使った情報共有など、さまざまな案件を手掛ける國生さんだが、新卒で入社したのはIBMではなかった。就職活動を通じて、とあるITベンダーに入社したものの、大きな誤算(?)があったという。

 「会計系のITコンサルティングを行う部署に配属になったんですが、お恥ずかしい話、配属になるまでこの会社がITの会社だと思っていなくて……。IT関連の仕事は全然ダメで、いわゆる『社内ニート』のような状態でした。給料をもらっていながら、会社に貢献できていないことが本当に辛かったです」(國生さん)

 しかし、そんな國生さんには誰にも負けない特技があった。それが「英語」だ。“英語圏の相手にメールを出したが返事がない”と悩む同僚が多い中、國生さんが書いたメールは、なぜか即座に返信が来たという。その経験を生かし、社員向けに「英語サポートデスク」を始めたところ、これが大当たり。たちまち“人気講師”になった。

 「もちろん業務外の活動なのですが、一人一人に英語の勉強法を考えたり、週末にメールの書き方講座を開いたこともありました。社内のいろいろな人が英語を学びに来ましたが、まさか一年目の社員が出てくるとは思っていなかったようで、結構驚かれましたね(笑)」(國生さん)

 その後「自分のスキルを生かした仕事がしたい」と思い始めた國生さんは、転職活動を始める。コンサルティング系の企業を受けていたが、なにせ実績がない。面接官に相手にしてもらえないような日々が続いたが、IBMだけは反応が違ったという。

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