Tableau Publicは、同社のセルフBIツール「Tableau Desktop」で作成したインタラクティブなグラフィックデータ(彼らはこれを“ビジュアライゼーション”と呼ぶ)を共有するプラットフォームだ。ストーリー氏いわく、Tableau Publicは「ビジュアライゼーションのYouTube」。現時点で10万人以上のユーザーが登録しており、週に4500個以上のビジュアル化したデータがアップロードされているという。
Tableau Publicのギャラリーを見ると、ビジネスの現場ではもちろん、ブロガーやジャーナリスト、NPOなどさまざまな人々が、自分たちの主張をデータを用いて分かりやすくかつ魅力的に訴えるツールとしてTableau Desktopを利用していることが分かる。
中には、7歳の少女が学校の課題提出のために作った作品もある。自分の住む地域における10日間の気温や降水量、風量と風向きを分かりやすく比較して表示したものだ。データから意味を見いだし、分かりやすい表現で伝えているという点において、これを作成した少女は立派な“データサイエンティスト”といえるだろう。
「われわれの次の世代は、データを触りながらさまざまなことを読み取れるようになります。購入履歴を始め自分自身に関係するデータを分析にハマる人も出てきて、企業は顧客にさまざまなデータを提供することが求められるようになるでしょう」(ストーリー氏)
このように、誰もがデータを扱えるようになり、データ分析が一般的になった世界はどのようになるのだろうか。ストーリー氏は「同じデータをもとに議論することが当たり前になることで、さまざまな変化があるだろう」と話す。
「例えばTableau Publicにアップロードされたデータは、閲覧者がダウンロードして、作者とは別の分析をすることもできるんです。こうした動きと同様に、ニュースの内容なども視聴者が元データを得られるようになれば、より多様な観点で事象を見ることができるようになるでしょうね。
また、今は大量のデータにアクセスして解釈できるかどうかによって国家間や組織間に力の差が生じていますが、情報格差が解消すれば、そのパワーバランスも変わってくるはずです。身近なところだと、データで根拠が示せないなら言い争っても仕方がないということで、感情的な夫婦げんかなんかも減らせるかもしれませんね(笑)。今後、私たちはデータを用いてコミュニケーションすることが当たり前になっていくでしょう」(ストーリー氏)
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