面倒な調整や交渉、スマートにこなすには?プロマネ1年生の教科書(1/2 ページ)

ヒトや物事の間に立ち、交渉や調整を行うことが多いプロマネ。クライアントだけではなく、チーム内の人間関係まで問題はさまざまで、メンドクサイと思う人も多いかと思いますが、まずは、調整や交渉を行う前に必要な“心構え”からおさらいしていきましょう。

» 2016年02月18日 08時00分 公開
[岩淺こまきITmedia]

連載:プロマネ1年生の教科書

 現代のプロジェクトマネジャーは、昔よりも難しいといわれています。多様な人材や混沌とした状況に苦しみ、「自分は向かない」と自信を失うこともあるでしょう。この連載は、プロマネになりたての人や、役職に就いたが“やることが山積みで、関係者の間で日々翻弄されている”人が、限られた権限やリソースの中で「ヒューマン/ビジネススキル」を使ってチームをよい状態へ導くことをテーマに、さまざまなスキルや活用法をご紹介します。

 対人スキルに優れたプロジェクトマネジャーが使いこなす“7つ道具”を紹介する本連載。いよいよ、5つ目の道具「ステークホルダーやメンバーと交渉、調整するスキル」に入っていきます。

 プロマネはヒトや物事の間に立ち、日々交渉や調整を行いながらプロジェクトを進めていきます。メンバーや顧客などといった“ステークホルダー”と話し合い、状況整理や説得をする場面は非常に多いでしょう。

 よくある場面としては「ユーザーからの仕様変更依頼の対応」「プロジェクト内での対策検討」「ユーザーとの調整」「決定事項の報告と依頼」「システム改修の提案」「メンバー間のいざこざの調整」などが挙げられます。対ユーザーだけではなく、プロジェクト内の対応に至るまで、対象も深刻度もさまざまです。

 交渉というと、何やら難しそうに聞こえて、身構えてしまう人も多いかもしれませんが、実際に活用するスキルは、ネゴシエーション(交渉)だけではありません。ファシリテーションやプレゼンテーションといったさまざまなスキルを状況に応じて使い分けることが大事であり、その使い分けには一定のルールがあるのです。

 今回はまず、それぞれのスキルの説明に入る前に、交渉や調整に入る前に心に留めておくべきことを説明します。それは「自分が冷静であること」と「“相手と対等”という意識を持つこと」、そして「早期解決を目指すこと」の3点です。

冷静さを欠いた状態で“調整”は成功しない

 交渉や調整が必要になる瞬間は、多くの場合が自分にとって“予期せぬタイミング”で起こるもの。どんなに準備や計画を立てていても、トラブルは起こります。だからリスクマネジメントがあるわけですが、予想外のタイミングだったり自分の体調など状態が悪いときだと、“え?”とイライラしやすいのが人間です。

photo 気持ちの余裕がないときに、交渉や調整ごとに当たるのは得策ではありません

 感情があらわになっているときに、そのまま交渉ごとに向き合っても、話がこじれるなどロクなことになりません。場所や時間を変え、あらためて場をセッティングすることをお勧めします。“ちょっとお手洗いに行ってきます”といって外に出るだけでも気持ちを切り替えられます。短時間でもいいので、一息ついて冷静になりましょう。仮に話がこじれると、対処がますます難しくなり、さらにいらない体力や時間を使うことになります。

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