「CRM/SFA×ロボット」は企業に何をもたらすかWeekly Memo(1/2 ページ)

CRM/SFAとロボットを組み合わせれば有能な“営業マン”に――。ソフトブレーンがそんな新ソリューションを発表した。「CRM/SFA×ロボット」は企業に何をもたらすのか。

» 2016年03月28日 17時00分 公開
[松岡功ITmedia]

単なる受付にとどまらないロボット活用を目指す

 「新ソリューションは受付を営業に変える。これを、労働人口不足の解決に向けた未来の営業を実現する第一歩にしたい」――。ソフトブレーンの豊田浩文社長は3月23日、同社が開いた新ソリューションの発表会見でこう強調した。新ソリューションとは、ソフトバンクロボティクスの人型ロボット「Pepper」で来客の受付をするためのアプリケーション「eレセプションマネージャー」のことである。

 まずはその概要を紹介しておこう。名刺・顧客情報とPepperが連動して個別に来客対応を行えるeレセプションマネージャーは、スケジュールに来客登録しておくとQRコードが自動で発行され、来訪者にメールで通知される。来訪者は受付時に、Pepperの額にあるカメラへそのQRコードをかざすと、担当者に電話で名前が通知される仕組みだ。

 また、案内を待つ間もPepperが来訪者ごとに個別のコミュニケーションをとり、そのやりとりの内容を担当者にリアルタイムにメールで通知する。いわば、“会話”で間をつないでくれるわけだ(図1参照)。

Photo 図1:eレセプションマネージャーによる接客イメージ

 こうした仕組みにより、必要なデータを自動で呼び出して対応するため、人が介するときに生じる情報連携の遅れや伝達ミスもなく、来客に伝えたい情報を個別に伝えられるようになるという。例えば、名刺交換日や登録数のデータから、長期的な関係継続へのお礼を伝えたり、スケジュールデータから次回来客確認を行うことが可能となっている。

 eレセプションマネージャーを利用するシステムとしては、クラウド上で動作する来客情報の管理サービスと、Pepperに組み込まれた応対アプリケーションで構成される(図2参照)。価格はPepperのレンタルを含めシステム一式で1アカウントあたり14万4000円。1人あたりの人件費より安価だとしている。

Photo 図2:eレセプションマネージャーの仕組み

 発売は4月1日。国内販売においては、ソフトバンクコマース&サービスが行い、全国の販売パートナー1万社、およそ4万拠点の流通網を活用し展開していく予定だ。同社の溝口泰雄社長兼CEOは会見で、「PCと同様、ハードとソフトをセットで提供するビジネスが広がるのではないかと期待している」と語った。

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