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» 2016年04月08日 08時00分 公開
[池田憲弘ITmedia]

ビザを基盤とした新サービス、その可能性――「Residence」

photo Residence代表取締役の岡村アルベルト氏。ビザの申請がうまくいかず、友人が強制送還された経験から、大学卒業後に東京入国管理局で受付窓口の現場責任者として働いたという

 近年、外国人観光客の増加が話題になっているが、日本への留学や就労などで日本に長期滞在、定住する在日外国人(在留外国人)の数も増えているのはご存じだろうか。6年後には、日本の労働人口の30分の1が外国人になるというデータもある。ペルー出身のアルベルト岡村氏が2015年に起業した「Residence」は、彼らに向けたビザ関連書類の作成や、申請を代行するサービスを展開しているという。

 申請書類をWebで作成すると、必要情報が記入された書類が家に届く。Skypeで本人確認を行った後、指定の書類とパスポート、そして在留カードを返送すれば、行政書士が代理申請やビザの受け取りを行ってくれる。申請書類の作成だけならば無料で、代理申請は3000円から(留学ビザの場合)。

 一般的に行政書士に依頼すると3万円程度かかるが、書類作成をプログラムで行い、本人確認などをWeb上で完結させることで、低価格を実現したという。英語、中国語、韓国語、日本語の4カ国語に対応しているため、書類を母国語で記入できるのもユーザーにとっては大きなメリットだ。

Residenceのサービス紹介

 現在は個人向けサービスを中心に展開しているResidenceだが、今後はビザ取得で得た情報を用いたビジネスを展開する予定という。「ビザには婚姻歴、住所、親族、納税額、口座残高、犯罪歴、学歴といった情報が含まれている。住居の紹介や与信構築といった、生活に必要なサービスを展開していきたい」(Residence代表取締役 岡村アルベルト氏)

 既に2016年5月から法人向けの人材マッチングサービスが始まることが決まっており、今後もパートナー企業を募集していく。外国人を多く雇用したり、外国人の雇用を検討している企業が増えている今、ビザのデータにはビジネスの可能性が無限に詰まっていると言っても過言ではなさそうだ。

photophoto 外国人のビザ取得数は年々増えており、市場規模は拡大している(写真=左)。現在は個人向けサービスを中心に展開しているが、今後はビザに含まれる情報を軸にしたサービスを展開し、在日外国人の生活を支えていきたいという(写真=右)

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