コグニティブとデジタル変革で企業に競争力を MSの平野社長(2/2 ページ)

» 2016年07月07日 08時25分 公開
[後藤祥子ITmedia]
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 エンタープライズサービスを軸にした変革支援は、本社との連携による最新技術(コグニティブ、機械学習、HoloLens)の導入と展開を図るとし、コグニティブや機械学習、HoloLensの企業への浸透を目指す。そのための組織として、10人程度のスタッフから成るデジタルアドバイザーを立ち上げたという。

 デジタルトランスフォーメーションの取り組みは、製造/金融/流通・小売/政府・自治体/先端研究/医療の6つの業種に重点を置き、最適化したシナリオを出すことで企業の変革を促す。そのための専門部隊としてクラウドインダストリーソリューションユニットを立ち上げる計画だ。

パートナーとの協力でデジタルトランスフォーメーションを推進

 平野氏は、その他の2017年の重点分野として「クラウド利用率の増加」「データカルチャーの醸成とデータプラットフォームの拡大」「法人分野でのWindows 10の普及」「最新デバイスによる新たなエクスペリエンスの実現」「クラウド時代のパートナーシップ」を挙げている。

Photo 2017年度の重点分野。

 データ利用の促進については、データの活用が業務効率化やリアルタイムの意志決定、事業の継続性の向上、ビジネスプロセスの改善、業績の可視化につながるなど、ビジネスを動かす原動力になるとし、データカルチャーの醸成に取り組む考え。AzureやSQLサーバを訴求し、ハイブリッドやオンプレミス、クラウドのいずれの環境でも使えることを訴求する。

 こうしたデジタルトランスフォーメーションの取り組みを形にするために重要なのが、パートナーシップ戦略だ。これまでマイクロソフトのパートナーはリセラーが中心だったが、2015年からはパートナーが持つソリューションやアプリケーションをマイクロソフトのクラウドと統合して提供するケースが増えているという。既に同社は、CSP(クラウド ソリューション プロバイダー)プログラムを立ち上げており、2017年度には現在の600社を倍に増やしたいとしている。

 ここでも12月までに新たな専門部隊の立ち上げを予定しており、「クラウドプラットフォーム」「データプラットフォーム」「クラウドアプリケーション」「セキュリティ」の4つのシナリオごとのパートナーの獲得と養成を目指す。


 2017年度の経営方針を聞くと、設立30周年を迎えたマイクロソフトがこれまでとは異なる大きな一歩を踏み出そうとしていることが分かる。新たに立ち上げるユニットはコンサルティング色が強く、顧客の課題に応えるための組織作りがなされようとしていることが分かる。人間で言えば壮年期に入るこの1年、マイクロソフトがどう変わっていくかに注目だ。

Photo 会場には創立30周年を記念したすしとケーキが用意された

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