ある経営者はリストラを行う際に「今も代替が利き、3年後に期待できない人」に退職勧告をしたという。そんな評価をされないためにはどうすればいいのか。
新入社員たちは、こんなオヤジの小言にも耳を傾けてくれる。自分たちが未熟者であるという自覚を持っている彼らにとっては、一つひとつの言葉は、新鮮な響きとなって吸い込まれていくのだろう。その素直さが彼らを成長させる。
「君たちは、“タダ飯”を食らっている。今はそれでも仕方がないが、いつまでもそれでいいわけはない。何の成長もなければ、そのうち“無駄飯食い”といわれる。この屈辱を味わいたくないのなら、寸暇を惜しんで勉強しなさい!」
このような言葉さえも、彼らには励みになる。
翻って、私たち「大人」はどうなのだろう。一体何を知っているのだろうか。何ができるのだろうか。
お客さまの経営や業務、社会やITのトレンドは、日々移りゆく。今まで常識と思っていたことが、あっという間に非常識になっている。気が付けば知らないことだらけだ。かつての成功体験を後生大事にしているうちに、新入社員と同じ「未熟者」になってはいないだろうか。ただ、新入社員のように「未熟者」であることに自覚がないとすれば、もはや成長はできない。
ある大手企業の経営者から、リストラしたときの話を伺った。そのとき、誰を退職させるかを評価するに当たり、次のような3つのランクをもうけたそうだ。
(1)3年後にこの会社にいてもらわないと困る人
(2)今いてもらわないと困る人
(3)今も代替が利き、3年後に期待できない人
(3)の方を退職勧告の対象としたそうだ。その数は、2割ほどになったという。結局、そのうちの1割ほどの方が退職されたそうだ。
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