Windows 10のイイところ――PCオタでなくても“掃除”ができる半径300メートルのIT(2/2 ページ)

» 2016年08月23日 08時00分 公開
[宮田健ITmedia]
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 今や、PCを初期化したとしても、アプリとしてインストールが必要なものは「ブラウザ」「セキュリティ対策ソフト」くらいなのかもしれません(私の場合はこれに加えて、エディタと漢字かな変換ソフトなどがありましたが……)。

 もちろん、PCによってはこのあと、各社が提供するドライバ群などをインストールする必要があるため、本当の意味で万人にお勧めできる方法ではありません。ですが、これまではPCに詳しい人でなければできない作業だったことを考えれば、間違いなくハードルは下がりました。この機能を知っておくと、万が一のときに大変便利です。

万が一のときは、突然やってくる

 では、その「万が一のとき」というのはいつなのでしょうか。それは昨今話題の「ランサムウェア」をはじめとする、コンピュータウイルスなどの「マルウェア」に感染したとき。このような状況に陥った場合、PCを初期化する作業が必須になります。

 今回この作業を行ってみようと思ったのは、Facebookで「出張中のホテルでPCを開いたら、ランサムウェアに感染してしまった!」という体験談を読んだからです。その方はかなりのパワーユーザーだったため、上記の方法でPCを初期化、Officeプログラムなど必要なものをその場でダウンロードし、復旧させたとのことでした。仕事に必要なファイルは全てクラウドにあったため問題なし。実にスマートでした。

 少し前であれば、コンピュータウイルスに感染しても、“駆除する”ことができたかもしれません。しかし、現在のウイルスは完全に駆除することは難しいと考えたほうが良さそうです。安全を考えると、やはりPCの初期化は避けられません。

 このコラムでも、ランサムウェアの対策の1つとして、バックアップを強くお勧めしてきました。しかし、そのバックアップも「戻すこと」ができなければ何の意味もありません。私もこの「PCを初期状態に戻す」作業を試せたことで、万が一のときに備えられるようになったとやっと自信が付きました。

 もちろんこれをメインのPCでやるには不安だという人もいるかもしれません。サブで使っているマシンがあれば、ぜひ一度、初期化を試してみることをおすすめします。

著者紹介:宮田健(みやた・たけし)

デジタルの作法 『デジタルの作法』

元@ITの編集者としてセキュリティ分野を担当。現在はフリーライターとして、ITやエンターテインメント情報を追いかけている。自分の生活を変える新しいデジタルガジェットを求め、趣味と仕事を公私混同しつつ日々試行錯誤中。

筆者より:

2015年2月10日に本連載をまとめた書籍『デジタルの作法〜1億総スマホ時代のセキュリティ講座』が発売されました。

これまでの記事をスマートフォン、セキュリティ、ソーシャルメディア、クラウド&PCの4章に再構成し、新たに書き下ろしも追加しています。セキュリティに詳しくない“普通の方々”へ届くことを目的とした連載ですので、書籍の形になったのは個人的にも本当にありがたいことです。皆さんのご家族や知り合いのうち「ネットで記事を読まない方」に届けばうれしいです。


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