コレ1枚で分かる「未来を味方に付け、ビジネスを切り開く3つのステップ」即席!3分で分かるITトレンド(3/3 ページ)

» 2016年09月14日 07時00分 公開
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ステップ2:作戦(Operation)

 次の段階として、「仕組みとしてのIT」を練り上げることです。どのような手順で、どのような手続きを行い、どのようなやり方で結果を出すか。そんなビジネスプロセスや業務手順を明確にして、それを実現するために最良の手だてを考えていきます。

 ここでもITの可能性を追求することです。例えば、

  • スマートフォンで写真を撮れば自動的に報告書のひな型が作成され、進捗の予実についても自動的にアップデートされる
  • 機械の操作を音声の指示だけで行い、関係者への連絡や通知も音声だけで行い、必要とあればそれを文章にもしてくれる
  • データを入力すれば、そのデータの内容を分析し、自動的に最適な図表を作成してくれる

 これらのことは既に実現可能です。このようなITでできることを前提に仕組みを作れば、仕事の効率や精度を飛躍的に高めることができるはずです。

ステップ3:戦術(Tactics)

 次は「道具としてのIT」の使い方です。例えば、

  • どのタブレット端末がコストパフォーマンスが高いか
  • どのパッケージソフトウェアが最適か
  • どの開発ツールを使えば開発の生産性を高かめられるか

 これから行おうとしている「作戦」にふさわしい手段として最適なものはどれか、また、それを使えるようにするための手順や使いこなすためのスキルをどのように身に付ければいいのかについて、ITの専門家である情報システム部門やITベンダーに提案を求めるとよいでしょう。

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 注意すべきは、実績や経験にこだわり、新しいことをちゅうちょする保守的な人たちの存在です。「失敗を許さない減点文化」の企業には、このような人たちも少なくありません。

 しかし、これまでも度々話してきた通り、ITの進化は日々常識を塗り替えています。その前提に立ち、その時々の新しい常識で「道具としてのIT」の選択肢を模索しなければ、成果も制約されてしまいます。

 だからこそ、事業に責任を持つ経営者や事業部門の人たちが、ITの可能性と限界を正しく理解し、試行錯誤での取り組みを許容する態度を持たなくてはなりません。そんな文化を築いていくことも、これからのビジネスを創り上げるためには必要な態度といえるでしょう。

著者プロフィル:斎藤昌義

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 日本IBMで営業として大手電気・電子製造業の顧客を担当。1995年に日本IBMを退職し、次代のITビジネス開発と人材育成を支援するネットコマースを設立。代表取締役に就任し、現在に至る。詳しいプロフィルはこちら。最新テクノロジーやビジネスの動向をまとめたプレゼンテーションデータをロイヤルティーフリーで提供する「ITビジネス・プレゼンテーション・ライブラリー/LiBRA」はこちら


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