モノは、それ自身や周辺の出来事をデータに変換しネットに送り出します。あらゆる状態やその変化を捉えたデータは膨大な量です。このビッグデータを解析することでさまざまなことが分かります。
過去から原因や理由を探る
何らかのことが起こったとき、その原因や理由を見つけ出すことができます。例えば、機器が故障したとすればその理由を見つけられますし、ある商品が大量に売れたとすればその理由を探ることもできます。
現在の出来事を知る
モノに組み込まれたセンサーがリアルタイムにモノやその周辺の状態や出来事をネットに送り出し、それを見える化することで、今の状態が即座に分かります。例えば、Googleは誰もが持っているスマートフォンのGPS(位置情報を検知するセンサー)のデータを集め、それを分析することで道路の渋滞状況を自社の地図サービス「Googleマップ」に表示しています。
未来を予測する
データを分析すれば、そこに規則性が見つかることがあります。その規則性から将来を予測することができます。データが大量であれば、より高精度で予測ができるようになるのです。
例えば、機械に組み込まれたセンサーで故障の前に起きる変化を捉えることができれば、その機械がいつ頃どのような故障を起こすのか、その影響はどの程度なのかを故障する前に予測することができます。そして、必要とあれば事前に対処し、故障を未然に防ぐことも可能になります。
このように、IoTは現在、過去、未来を知るタイムマシンとなるのです。
日本IBMで営業として大手電気・電子製造業の顧客を担当。1995年に日本IBMを退職し、次代のITビジネス開発と人材育成を支援するネットコマースを設立。代表取締役に就任し、現在に至る。詳しいプロフィルはこちら。最新テクノロジーやビジネスの動向をまとめたプレゼンテーションデータをロイヤルティーフリーで提供する「ITビジネス・プレゼンテーション・ライブラリー/LiBRA」はこちら。
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