そのようなことにならないためには、スケジュールに遅滞なく進めるのが理想ですが、遅延を想定して少し長めに契約したり、余裕を持ったスケジュールを立てるのがよいでしょう(変化の激しい今の時代には難しいことではありますが)。
どうしても完成まで付き合ってほしい場合は、支援契約ではなく、請負にすることもできますが、ベンダーによっては請負の契約を受け付けないこともあるため、締結可能な契約形態について確認が必要です。
請負契約と支援サービス(準委任)契約の違い
請負の場合、瑕疵(かし)担保責任が発生するので、日本でよくあるのは1年契約のパターンですが、支援契約の場合も同様、契約期間(瑕疵期間)を長くするとそれだけ価格(工数)が上がるので、期間と価格をてんびんにかける必要があります。また、請負契約の場合、完成基準を明記する必要があるので、それが定まっていないと契約できないと思った方がよいでしょう。
「新しいことをやるんだから、開始前に完成型なんて決められないよ」と思う方もいると思いますが、以前の回で挙げたように、プロジェクトの目的や意義から、実現したいことが具現化するまで、丁寧にブレークダウンすることをお勧めします。そこを曖昧にして先を急ぐと、結局後でツケが回ってくるのです。
見通しの甘さが引き起こすミスは、これ以外にもあります。
- 連載:失敗しない「外資系」パッケージソフトとのつきあい方
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