HPE、多要素認証基盤を刷新 生体認証も本格展開へ

リモートアクセス、FinTech、クラウドサービスなどの安全な認証が求められるシステムを容易に多要素認証化する「IceWall MFA Ver.4.0」発売。併せてコンサルティング体制を強化し、FIDO準拠生体認証システムの構築サービスも開始する。

» 2017年01月30日 08時10分 公開
[ITmedia]

 日本ヒューレット・パッカード(HPE)は1月27日、多要素認証(MFA:Multi-Factor Authentication)を可能にするソフトウェア製品「IceWall MFA Ver.4.0」を発表した。価格は190万円(税別)からで、2月20日に発売する。

 IceWall MFAは、Webシングルサインオン(SSO)ソリューション「IceWall SSO」の技術をベースに開発したもので、リモートアクセス、Webアプリケーション、クラウドサービス、FinTechなど、安全な認証が求められるシステムに対して、容易に多要素認証を実装できるという。アプリケーションの改変を必要としないことから、クラウドサービス利用時の認証にも対応する。

 多要素認証の要素としては、ワンタイムパスワード、FIDO、統合Windows認証、ブラウザトークンなど、さまざまな方式の中から、要件に合致した認証方式を選択可能。ワンタイムパスワードの標準規格であるOATHや次世代認証規格FIDOなどに準拠した認証デバイスを利用できるうえ、複数の認証方式の組み合せや個々のシステムごとに異なる認証方式の組み合わせも設定できる。例えばリモートアクセスにはワンタイムパスワードを義務付け、特定の社内Webシステムの利用には生体認証を求めるといった使い分けが可能。同社では、今後も新たな認証方式への拡張を予定しているという。

 また、プラグインアーキテクチャにより、標準提供する認証方式に加えてサードパーティー製の認証製品とも連携できる。サードパーティー各社はプラグイン開発によって、IceWall MFAの特徴を生かせるとし、そのためのインタフェース仕様も近日中に公開するという。サードパーティー各社と各種プロモーションや協業を行っていく方針だ。

 また、新製品の発売と併せて、新たにテクノロジーコンサルティング事業統括に技術者100人体制の「認証技術開発センター」と「認証コンサルティング部」を開設。認証に関して汎用製品では対応できない顧客固有の要求を満たすカスタムソフトウェアの開発や、顧客の用途に応じた専門性の高いインテグレーションを提供していくという。

 さらに、FIDOに準拠した生体認証環境構築サービスの提供を開始。スマートフォンの端末ロック解除で既に普及している指紋認証などの高度な認証をWebなどのオンラインサービスの認証にも適用し、なりすましリスク軽減に注力したサービスを実現するとしている。

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