Windows 10検討の際には、エディションの選択についても相談を受けます。Home Editionは個人ユーザー向けなのでいいとして、ProとEnterpriseのどちらにするかを悩むケースが多いです。最近は多くのセキュリティ機能がWindows 10 Enterpriseに搭載されているので、セキュリティを重視するならば、Enterpriseを選んだ方がよいでしょう。
ちなみにWindows Enterprise Editionの名前も変わっています。従来のEnterprise Editonの名前がWindows Enterprise E3と変更になり、Windows Defender ATPを搭載した最上位版がWindows Enterprise E5という位置付けになっています。
Enterprise版で使える人気の機能としては「Credential Guard」が挙げられます。近年は標的型攻撃が増加しており、Pass The Hash攻撃対策として導入する企業が増えているのです。
さて、こうした導入計画を終え、いよいよ本格的に導入をしようとしたときに壁になるのがインフラです。「Windows 10に向けて、既存のドメインコントローラーなど、サーバをアップデートしなくてはいけないのか?」という質問も多くいただきます。
Windows 10のパッチをFU(Future Update=機能アップデート)とQU(Quality Update=品質アップデート)の両方を配布するには、Windows Server 2012以降が必要となります。なお、ドメインコントローラーに関しては、Windows Server 2008以降で大丈夫です。
Windows 10 のアップグレードを配布するインフラとしては、Windows Update for business、WSUS(Windows Server Update Services)、SCCM(Microsoft System Center Configuration Manager)、そしてサードパーティー製のソリューションという4つの選択肢があります。
一般的には、オンプレミスでOS展開を行うのであればWSUSを使用し、さらにアプリ配布や細かいパッチマネジメントといった高度な設定を行う場合はSCCMを導入する企業が多いです。
今回は「サービシングモデル」「エディション選定」「インフラ準備」という3つの観点でWindows 10の導入計画についてお話ししました。逆に言えば、この3点さえ押さえておけば、導入へのイメージは湧いてくると思います。
Windows 10をスムーズに導入するには、計画→運用→管理の順で要件を固めていく必要があります。次回はWindows 10の実運用に関して、よく聞かれる疑問を解決していきます。お楽しみに。
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