“呼気アルコール検知器×顔認証”でドライバーのなりすましを防ぐ 日立製作所が実証実験

日立製作所は、法人車両向けにドライバーの本人確認に顔認証機能を利用する、新型の呼気アルコール検知器を試作、実証実験を開始する。

» 2017年06月13日 12時00分 公開
[ITmedia]

 日立製作所は6月12日、顔認証機能を搭載した呼気アルコール検知器の実証試験を開始すると発表した。顔認証と検知器を連携することで、呼気検査を受けるドライバーのなりすましを防げるという。

 検知機器をスマートフォンに取り付け、専用アプリケーションを起動してアルコール検査をすると、検査と同時に被験者の顔画像を取得。その後、運転席にスマートフォンを設置して再度ドライバーを撮影することで、被験者とドライバーの画像を照合して本人確認を行う。

 検査データは検知器からスマートフォンに送信し、アプリで集計する。集計した検査時刻やアルコール検知の有無、端末IDなどのログデータは、スマートフォンやPCに取り込んで確認できる。これにより管理者は、管理業務の効率化や遠隔地でのアルコール検査の管理が可能になるという。

Photo 新型の呼気アルコール検知器とスマートフォンの連係機能概要

 日立は、本田技術研究所と共同で、2016年3月に小型のポータブル呼気アルコール検知器を試作したが、身代わりを立てればなりすましが可能であることや、各ドライバーの検査結果を一元管理できないという課題があった。新型検知器は、従来と同じアルコール検知精度を備えながら約3分の1のサイズに小型化され、スマートフォンに取り付けられるようになった。新たに検知器と連携するアプリを開発することで、顔認証機能も実現している。

 実証実験は日立キャピタルオートリースの3営業所の社員を対象に、検知器の機能・性能の検証や課題抽出を目的として実施。実証試験を通じて検知器の信頼性やユーザビリティの向上を図り、早期の実用化を目指す。

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