API活用で実現 地下と地上をシームレスにガイドする「札幌地下街透過マップ」

NTTレゾナントは、色づけや立体化で分かりやすい地図を作る「gooラボ 地図API」の活用例として、「札幌地下街透過マップ」を公開。札幌の地下街と地上をシームレスに案内する。

» 2017年06月26日 15時00分 公開
[金澤雅子ITmedia]

 NTTレゾナントは6月22日、同社が無償公開している「gooラボ地図API」の活用例として、「札幌地下街透過マップ」を公開した。スマホにも対応しているが、期間限定での公開となる。

 gooラボ地図APIは、目印となる建物を色づけや立体化でハイライトして、目的地までのルートを分かりやすくナビゲートする地図を作製できるAPI。NTT空間情報の地図データ「GEOSPACE」とNTT研究所が開発した「パラメトリック地図技術」を活用している。スマホを使った直感的な地図操作の需要を見越して、NTTレゾナントが2017年6月1日から無償で提供している。

 同APIでは、屋内地図データを組み合わせ、現在地と目的地の位置関係や方向を立体的に表現し、一元的に把握できる2.5D地図を作製できる。複雑な構造の商業施設などに2.5D地図を応用することで、地下階でも地上階でも位置関係を俯瞰(ふかん)して把握でき、従来のような階ごとに別々の地図に切り替わるストレスが解消されるという。

 地下と地上をまたぐシームレスな地図は、複数の路線が乗り入れるターミナル駅や空港をはじめ、施設が連結した複雑な構造の商業施設などで必要とされている。同社によれば、ビーコンやARなどと連動することで、GPSに頼らない現在地情報の活用も可能になることから、ユーザーの行動分析や、ナビゲーション機能を持ったアプリ開発での利用が期待できるという。

Photo 「札幌地下街透過マップ」イメージ

 今回公開された札幌地下街透過マップは、NTT研究所の地図基盤技術を活用することで、屋内施設や地下街、地上施設の位置関係を平易な立体地図(2.5D地図)として表現した。

 同マップでは、地上の建物と地下の位置情報を読み込み、複雑な構造の商業施設などを立体的に表現。ユーザーは、地図を読む目線を「上空から」「地下から」「真横から」と、自在に変更でき、現在地と目的地の位置関係を俯瞰(ふかん)的に見られる。ユーザーの位置情報はビーコンで収集する。

 例えば、地下の飲食店街から目的地の3階に行く場合、平面的な地図では、各階の地図を複数参照する必要があるが、同マップでは、地下から地上3階までの経路を1つの地図で表せるため、ユーザーは、土地勘がない初めての場所でも、直感的に目的地を把握できるという。

Photo 大通り駅付近を地上から見た場合
Photo 大通り駅付近を地下から見た場合
Photo モバイル端末での表示例
Photo 大通り駅周辺からさっぽろテレビ塔に行くときの最短出口の位置関係

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

注目のテーマ