コレ1枚で分かる「シンクライアントと仮想化技術」即席!3分で分かるITトレンド(1/2 ページ)

仮想化アーキテクチャに欠かせない「シンクライアント」について、ネットワーク資源の有効活用と、端末やデータの運用管理の効率化を実現する「デスクトップの仮想化」と「アプリケーションの仮想化」と合わせて解説します。

» 2017年09月12日 11時00分 公開

この連載は

 カップめんを待つ間に、電車の待ち時間に、歯磨きしている間に“いまさら聞けない”ITトレンドが分かっちゃう! いまさら聞けないITの最新トレンドやビジネス戦略を、体系的に整理して分かりやすく解説する連載です。「この用語、案外、分かっているようで分かっていないかも」「IT用語を現場の社員にもっと分かりやすく説明できるようになりたい」――。情シスの皆さんのこんな課題を解決します。


デスクトップ仮想化とアプリケーション仮想化

 「デスクトップ仮想化(VDI:Virtual Desktop Infrastructure)」は、サーバの仮想化でも使われているハイパーバイザーを使い、サーバ上に、ユーザーが手元に置いて使うPCの代わりとなる「仮想PC」を稼働させます。その画面(デスクトップ画面)は、ネットワークを介して手元のPCのディスプレイに転送し、表示させ、キーボードやマウスなどの入出力装置を利用できるようにする技術です。

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 例えば、仮想PCでWindowsを動かし、WordやExcelを使って作成した文書や表は、自分の仮想PCに割り当てられたサーバのストレージに保存します。ユーザーは、手もとにあるPCのディスプレイに向かい、キーボード、マウスを操作しますが、実際に使うプロセッサやストレージはサーバのものです。

 「アプリケーション仮想化(Application virtualization)」は、PCの全機能ではなく、特定のアプリケーションだけをサーバで動かし、ネットワークを介して複数ユーザーで共用する技術です。さらにネットワークが切れているときでも操作を継続できるようにしたソフトウェアも登場しています。

 デスクトップ仮想化とアプリケーション仮装化は、どちらも管理されたデータセンターに設置されたサーバで動かすため、データの持ち出しは困難です。また、盗難や置き忘れで手持ちのPCがなくなってしまっても、管理者が、そのPCから仮想PCへのアクセスを遮断してしまえば使えなくなります。忘れがちなバックアップやセキュリティ対策なども、運用管理者が一括してでできることから、安全安心の担保、運用管理負担の軽減にも役立ちます。

 自宅で仕事をする場合は、自宅のPCからネットワークを介して会社で使っている仮想PCのデスクトップを呼び出せば同じ環境をそのまま使えます。この技術は、災害や事故でPCが破損してしまった場合にも使えることから、事業継続の観点からも注目されています。

Photo 【図解】コレ1枚で分かる「デスクトップ仮想化とアプリケーション仮想化」
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