「Google Home Mini」が1日に何千回も起動して、家の中の音声や物音を勝手に録音し、Googleに送信してしまうという問題が報告された。
米Googleは10月10日、AIアシスタント搭載のスマートスピーカー「Google Home Mini」の一部製品で確認された不具合に関するサポート情報を公開した。同製品を巡っては、1日に何千回も起動して家の中の音声や物音を勝手に録音し、Googleに送信してしまうという問題が報告されていた。
この問題を発見したAndroid Policeのアーテム・ルサコフスキー氏は、10月4日にGoogleが開いた発表会でHome Miniを入手した。Home Miniは「OK Google」と話しかけるか、本体上部を長押しすると起動する仕組み。ところが数日後、ルサコフスキー氏が不審な挙動に気付いてGoogleのMy Activityページで確認したところ、Home Miniが知らないうちに1日に何千回も起動して、記録した内容をGoogleに送信していたことを発見した。
同氏のHome Miniは物音に対して極端に敏感で、周辺の音やテレビの音声などに誤って反応していたとルサコフスキー氏は指摘する。
同氏が6日にGoogleに報告すると、その日のうちに連絡があり、Googleの担当者が同氏の自宅を訪れて別の製品と交換した。翌7日には、少数のHome Miniのタッチの仕組みに問題があったことを確認し、ソフトウェアアップデートを配信して対処していることを明らかにした。
不具合は、タッチパネルを長押しすると起動する機能に存在していることが分かり、ソフトウェアアップデートでは、長押しで起動する機能が一時的に無効にされた。Googleはこの問題の長期的な解決に当たっているという。
Googleが公開したサポートページでは、少数のHome Miniについて、タッチコントロールの仕組みが正常に作動しない問題があったことを確認。10月7日にソフトウェアアップデートを配信して問題を回避したと説明している。
影響を受けるのは「Made by Google」のイベントで提供されたHome Miniで、予約注文を受けた製品は影響を受けないとしている。10月4日〜7日の間に長押しによって作成されたアクティビティやクエリーは、削除する措置を取ったという。
ルサコフスキー氏は今回の経緯について、「信じがたいプライバシーの侵害だと思ったが、実のところは少数のHome Miniのハードウェアの欠陥だったことが分かった。Googleに故意はなく、驚くほど即座に対応してくれた」と評価している。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.