デルの執行役員である清水博氏が、1人で作り上げた小冊子「ひとり情シス」。まるで同人誌のような見た目だが、全120ページの中身は“ガチ”だ。
中堅、中小企業でありがちな「ひとり情シス」。情報システム担当が1人しかいない状態を指し、Dell EMCの調査によると、現状で中堅企業の27%がひとり情シスの状態で、2020年には、36%まで拡大する可能性があるという。
同社が10月20日に開いた発表会で、デルの執行役員である清水博氏が紹介したのが、紹介したのが小冊子「ひとり情シス」だ。清水氏が業務外の時間を使い、たった一人で書き上げたとのことで、10月26日に開催したセミナー「ひとり情シス大会議」の参加者に配布したそうだ。
今回、編集部では独自(?)のルートでこの小冊子を手に入れたので、その内容を少しだけ紹介しよう。
まず目を引くのが、表紙に描かれている(恐らく)男性の悲しそうな顔だ。「ひとり情シス」の悲哀を表現しているのだろう。同社Facebookページによると、「ひとり情シスの歴史や取り巻く環境、ソリューションの選び方、使い方などを解説した」という。早速、中身を見てみよう。
目次を見ると、この本は全6章構成であることが分かる。各章のタイトルは次のようなものだ。
ただ、今回の冊子に載っているのは前半の3章だけ。後半の3章は鋭意制作中とのことだ。編集部としては、成功しているひとり情シス事例などを、ぜひ読みたかっただけに少し残念だ。しかし、それでも全120ページと相当なボリューム。1ページあたり、およそ500字書かれていたので、概算で約6万字。清水氏の相当な“熱量”がうかがえる。
中身はびっしり書かれた文章と図版が並ぶ。紙の質感といい、デザインといい、コミックマーケットに並んでいる同人誌をほうふつとさせる。編集長にも見せてみたが、「ちゃんとのり付けして背表紙がある。ここはお金かけてるなあ」と感嘆していた。
小見出しにも気になる文字が並ぶ。「『2ちゃんねる』の中の叫び」「海外でも『One Man IT』」「ひとり情シスのタイプ別パターン」「情報システム部門の適正人数」「今後の流れ? 0.5人のひとり情シス」など。清水氏の目には、既に情シスが1人を下回る未来が見えているのかもしれない。
ここで書かれている内容は、本当にひとり情シスが共感するものなのだろうか。そこで、つい最近までひとり情シスだった、アイティメディアの情シス、イシノに本書を読んでもらった。
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