IT投資の重要性増加、“攻めのIT投資”へシフトの兆し――JEITA/IDC Japan調べ

電子情報技術産業協会(JEITA)が、国内企業の非IT部門を対象にしたIT投資の意識調査を発表。2017年はIT投資の重要性を認識する企業が増加。業務効率化やコスト削減へのIT投資が多いものの、いわゆる“攻めのIT投資”が増加しつつあるという。

» 2018年01月16日 11時00分 公開
[金澤雅子ITmedia]

 電子情報技術産業協会(JEITA)は2018年1月15日、IDC Japanと共同で実施した「2017年 国内企業の『IT経営』に関する調査」の結果を発表した。

 調査は2017年9月に、従業員300人以上の国内企業の経営者とIT部門以外(事業部、営業、マーケティング、経営企画)のマネジャー職以上を対象に実施し、333社が回答した。

Photo 企業におけるIT投資の重要性(出典:2017年 JEITA/IDC Japan調査)
Photo CIOの設置状況(出典:2017年 JEITA/IDC Japan調査)

 調査結果によると、企業のIT投資を「極めて重要」と考える国内企業は26%で、2013年の同様の調査と比較すると約1.6倍という結果になった。2013年調査の米国企業の回答が75%だったのにと比較すると、依然として差は大きいものの、国内企業におけるIT投資の重要性はおおむね上昇傾向にあることが明らかになったと分析する。

 また、CIOを設置する企業は22%で、増加傾向にあることが分かった。

Photo IT予算の増減見通し(出典:2017年 JEITA/IDC Japan調査)
Photo IT予算が増える理由/用途(出典:2017年 JEITA/IDC Japan調査)

 IT予算については、「増える傾向」と回答した国内企業は52%で、2013年調査の40%に対して12ポイントアップの結果となった。

 予算の用途は、2013年調査と同じく、「ITによる業務効率化/コスト削減」が最多となった。一方、いわゆる“攻めのIT投資”に位置付けられる「新たな技術/製品/サービス利用」(2013年:1.2%→2017年:27.6%)と「ITを活用したビジネスモデル変革」(2013年:12.9%→2017年:21.3%)は大きく増加した。

 投資対象を問う設問では、人材投資が高止まりし、設備投資やマーケティング投資が2013年並みであった一方、IT投資やR&D投資の重要度が増していることが分かり、このことから、JEITAでは、日本の“守りのIT投資”から“攻めのIT投資”へのシフトの兆しが見られると分析。広い意味でのテクノロジー投資が国内企業の成長を促進するという認識が広がりつつあると見ている。しかし、まだ「守りのIT投資」は多いことから、より一層のシフトを加速させていくためにも、ビジネスリーダーに対するIT・デジタル投資の重要性や意識付けが必要としている。

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