2018年は、DevOpsがエンタープライズITの世界にも浸透する年になると考えています。しかし、それが成功するためには、DevOpsという考え方そのものを大きく変えなければならないかもしれません。
遅くなりましたが、皆さまあけましておめでとうございます。2018年、読者の皆さまが所属するチームは、どのような目標を掲げているでしょうか。
本年は、いよいよDevOpsがモバイルやゲーム開発などのコンシューマー企業だけにとどまらず、エンタープライズITの世界にも浸透する年になるでしょう。取り組みの早い企業では、既に導入を始めているケースもありますが、多くの企業がまだ初期段階であり、エンタープライズ環境に適用するためには、さまざまな障壁が残っています。
これらの課題はパターン化された解決策があるものではなく、業界、組織の規模、既存のプロセスや組織の技術レベルに応じて異なり、その対応方法もフェーズごとに変わります。
これまで、ユーザー企業がDevOpsに対して持つ課題というと「そもそもDevOpsとは何なのか」「どのようなツールを利用して改善するのが適切か」「自社の開発プロセスで何がボトルネックなのか」といった表面的な話に終止していましたが、最近では「迅速に開発したサービスを、どのようにマネタイズをするのか」「迅速なサービス展開を維持しつつ、どうセキュリティを担保するのか」といったように、スピード開発に伴う課題へとシフトしています。
これは、DevOpsそのものが、投資の一対象から、エンタープライズITを構成する標準プラットフォームとなる時期に入ってきたことを示しているのではないでしょうか。
今回は、先ほど挙げた課題のうち、「迅速に開発したサービスをどのようにマネタイズすべきか」というテーマに焦点を当ててみましょう。
本連載では、「自社が顧客に提供している価値」をサービスとしていますが、もちろんベンダーであればプロダクトであり、ユーザー企業であれば、自社コンテンツであったりと企業によって提供価値は変わります。ただし、どのようなサービスをとっても、これまでのように、顧客が課題に直面して生まれる“ニーズ”を整理して、それに対応するだけのビジネスは少なくなっています。
DevOpsが目指す迅速なビジネスにおいては、顧客に対し、サービス提供側から価値を創り出さなければいけない状況が増えています。これは、市場のニーズに対して確度の高い“シーズ”を提供するビジネスモデルを構築しなければいけないともいえるでしょう。
もちろん、シーズから創出されたサービスは、顧客自身もその価値が正しく測れているわけではありません。だからこそ、サービスの提供者と顧客が一緒になって価値を創造し、「どうすれば顧客を成功に導けるのか」という仕組みづくりを行う必要があるのです。
しかし、そこには「成功確度」という大きな壁があります。
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