オフィス作りにWatsonも活用 日本IBMの“Agile Office”に行ってきた(1/3 ページ)

コンピュータの巨人として、またはコグニティブコンピューティングで知を変える企業として知られるIBMに、オフィス改革の達人という顔があるのをご存じだろうか。Watsonも活用したという日本IBMの“Agile Office”に行ってみると……。

» 2018年02月02日 12時00分 公開
[野々下裕子ITmedia]

 IBMは創業当初から働く環境にこだわり続け、「働き方改革=オフィス戦略」と位置付け、新しいアイデアを次々に取り入れてきた。

 まだモバイルという言葉も浸透していない1989年に、グループ単位でデスクを自由に使う世界初のモバイルオフィスを導入し、リモートワークの先駆けとなるフレキシブルな働き方を実現。2004年には社員が自ら働きやすい環境を考えるオンデマンド型のワークスタイルを採用している。

 その後、2012年に就任したバージニア・M・ロメッティCEOが、社員のコミュニケーションをより円滑にするため、全てのオフィスをオープンにする方針を打ち出し、2015年に“Agile Office(アジャイルオフィス)”の導入を世界各地のオフィスで進めている。

Photo IBMオフィス改革の歴史

 Agileとは、「迅速に、俊敏に応える」という意味を持つ言葉。複雑で多岐にわたるIT業界のビジネススタイルに迅速に対応できる多種多様な働き方が可能なオフィスを目指している。

 2月に新しくオープンする大阪事業所は、このAgile Officeを日本流にアレンジした世界初のオフィスとなる。中之島フェスティバルタワー・ウエストの11〜13階の3フロアを使用し、5つのカテゴリーでオフィスの用途を分類。その日の気分や状況にあわせて働く場所を自由に選べるフリーアクセス型のオフィスになっている。

Photo 中之島フェスティバルタワー・ウエスト入口
Photo 日本IBM 大阪事業所 大阪事業所の受付
Photo 5つのカテゴリー説明図(配布資料より)

自由な働き方を支えるオープンオフィス

 3フロアのうち2フロアを占めるオフィスエリアは、基本全てフリーアドレス。個人用デスクは高さを調整できる自動昇降型で、立ったままでも仕事ができる。

 静かに仕事ができる空間や数人で打ち合わせができるエリアなど、さまざまな働き方ができるスペースが用意され、それぞれの使い方が決められている。専用アプリをインストールしたタブレットやスマホのカメラでオフィス設備を写すと、Watsonが使い方を教えてくれる仕組みになっている。

Photo オフィススペース
ALTALT デスク昇降ボタン
ALTALT
ALTALT
ALT
ALTALT
ALTALT 静かに作業したいときや打ち合せなど、気分や用途にあわせて空間を使い分けられるようになっている。それぞれ使い方にルールが決められていて、使い方はWatsonが教えてくれる
Photo 個人スペースがあるのは常務のみ。米国本社ではCEOもフリーアドレスなので、将来的にはオープンになるかもしれない
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