オフィス内に電子黒板などは設置せず、あえて手書きのホワイトボードにしている。思い付いたアイデアを素早く記録するためで、米国本社でも同じスタイルを採用している。それこそ思い付いたらどこでも、テーブルや壁いっぱいに書き込みができるようになっていてるのがかえって新しい。
入口正面にあるデジタルサイネージで、デスクの利用状況をリアルタイムで確認できる。スマホからも確認は可能だが予約はできず、早いもの順にしている。その理由は“お取り置きのまま使われない場所”ができないようにするためだ。
同じ理由で、各フロアに数十以上あるミーティングルームやプレゼンスペースは事前予約が必要だが、予定時間を超えても使用されない場合は、次の利用者が使えるようにしている。
オフィスはフリーアドレスが徹底され、個人の私物が置けるのは小さなコインロッカーのみ。文房具などはキッチンとコピー室を兼ねたスペースに全て収納し、そこもまたオープンスペースになっている。上着や傘を置くロッカーはあるが、更衣室はない。社員も慣れたもので、特に不満などは出ていないようだ。
オフィスの設計デザインを担当したワークプレイス ソリューションズの光成晋哉担当部長は「オフィスのコンセプトは全世界のIBMで共通しているものだが、最終的なデザインは、日建スペースデザインが請け負っている。アメリカのIT企業でよく見られるようなカッコいいデザインにはあえてせず、居心地の良さを追求している。日本ならではの働き方を排除せずに柔軟に取り入れることで、逆にアメリカへ新しい働き方を提案することも考えたい」とコメントしている。
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