オフィス作りにWatsonも活用 日本IBMの“Agile Office”に行ってきた(2/3 ページ)

» 2018年02月02日 12時00分 公開
[野々下裕子ITmedia]

 オフィス内に電子黒板などは設置せず、あえて手書きのホワイトボードにしている。思い付いたアイデアを素早く記録するためで、米国本社でも同じスタイルを採用している。それこそ思い付いたらどこでも、テーブルや壁いっぱいに書き込みができるようになっていてるのがかえって新しい。

Photo オフィスのあちこちにホワイトボードが置かれている
Photo プレゼンルームは全ての壁がホワイトボードになっている

 入口正面にあるデジタルサイネージで、デスクの利用状況をリアルタイムで確認できる。スマホからも確認は可能だが予約はできず、早いもの順にしている。その理由は“お取り置きのまま使われない場所”ができないようにするためだ。

 同じ理由で、各フロアに数十以上あるミーティングルームやプレゼンスペースは事前予約が必要だが、予定時間を超えても使用されない場合は、次の利用者が使えるようにしている。

ALTALT オフィスの空き状況は正面入口にあるデジタルサイネージやスマホからリアルタイムで確認できる
Photo 予約状況はモニターで確認でき、空きがある場合はその場で申し込めるようにするなどの工夫で、スペースの稼働率を上げている

 オフィスはフリーアドレスが徹底され、個人の私物が置けるのは小さなコインロッカーのみ。文房具などはキッチンとコピー室を兼ねたスペースに全て収納し、そこもまたオープンスペースになっている。上着や傘を置くロッカーはあるが、更衣室はない。社員も慣れたもので、特に不満などは出ていないようだ。

ALTALT 個人の私物が置けるのは最小限サイズのロッカーのみ(左)。上着や傘などのロッカーはあるが更衣室はない(右)
Photo コピー室も給湯室も全てオープン
Photo 館内はもちろん全て禁煙。気分転換用の休憩スペースを「タバコ部屋に代わる社員の交流が生まれる場にする」ことを目指している

 オフィスの設計デザインを担当したワークプレイス ソリューションズの光成晋哉担当部長は「オフィスのコンセプトは全世界のIBMで共通しているものだが、最終的なデザインは、日建スペースデザインが請け負っている。アメリカのIT企業でよく見られるようなカッコいいデザインにはあえてせず、居心地の良さを追求している。日本ならではの働き方を排除せずに柔軟に取り入れることで、逆にアメリカへ新しい働き方を提案することも考えたい」とコメントしている。

ALTALT オフィス全体の監修を務めたワークプレイス ソリューションズの光成晋哉担当部長は「本社のコンセプトをベースにしつつ、日本らしいオフィスも目指したい」と語る

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