2018年、経営トップの入社式訓示にみる「IT企業が求める人材像」Weekly Memo(1/2 ページ)

4月は企業にとって新入社員を迎える時。果たしてIT企業はどんな人材を求めているのか。経営トップの入社式での挨拶から探ってみた。

» 2018年04月09日 12時00分 公開
[松岡功ITmedia]

求められる「デジタルで顧客の課題を解決する人材」

 2018年度の新入社員を迎えた企業では先週、入社式が行われ、各社の経営トップが訓示を述べた。その内容からは、IT企業が今、どんな人材を求めているのかが透けて見えてくる。今回は、そんな各社の入社式の訓示から、筆者が印象深く感じたコメントをピックアップして“期待する人材像”を探ってみたい。

 まずは、次のコメントを挙げたい。

 「日本社会は企業の投資意欲が回復し、イノベーションによるさらなる発展に向けた準備を進めています。そのキーワードの1つが“デジタル”です。新聞や雑誌でもAI(人工知能)やロボット、Fintechの話題が上っています。当社はそういったデジタルによってお客さまの課題を解決し、お客さまとともに成長していく会社です。ぜひ皆さんの力を貸してください」(富士通マーケティングの藤田正美社長)

 これは富士通マーケティング(FJM)をはじめとしたIT企業に限らず、これからデジタルビジネスを手掛ける全ての企業が訴えたいことだろう。そう考えて、最初に挙げてみた。

 次に、システムインテグレーター大手2社の経営トップのコメントを続けて紹介しよう。

 「無限の可能性を秘めたITですが、使い方次第で社会は良くも悪くも変わります。ITがいかに進化しようとも、それを生かし、動かすのは“人”です。私たちの企業理念は『明日を変えるITの可能性に挑み、夢のある豊かな社会の実現に貢献する』ことであり、これを判断軸として常に思い返していただきたいと思います」(伊藤忠テクノソリューションズの菊地哲社長)

 「本日新たな一歩を踏み出した皆さんへ、私の信条である“真実一路”という言葉を贈りたいと思います。これは『自らが正しいと信じる道を貫き通す』という言葉です。書物や歴史、先輩や同僚から学び、自分は何をすべきかを必死になって考える。そうして自分のやるべきこと、正しいと信じられる道が見えれば、たとえ周りの人に反対されたとしても、それを信じて突き進んでいくことで、必ずや目標を達成することができる、私はそう信じています」(NTTデータの岩本敏男社長)

Photo NTTデータの岩本敏男社長

 両者のメッセージをそれぞれ一言でいうならば、菊地氏は「ITを生かすのは人」、岩本氏はまさしく「真実一路」だ。さらに岩本氏は「視野を広げよ」とも述べている。

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