ダークネットの取引サイト上で、捜査員が米ドルと仮想通貨を交換するマネーロンダリング業者を装い、違法商品の販売にかかわっていた多数の人物を割り出した。
米司法省は6月26日、禁止薬物や武器などの違法取引に使われているダークネットの摘発作戦を全米で展開し、違法商品の販売にかかわった35人あまりを逮捕、大量の医薬品などを押収したと発表した。
発表によると、作戦は移民関税捜査局や麻薬取締局などが連携して1年がかりで実施。捜査員がダークネットの取引サイト上で米ドルと仮想通貨を交換するマネーロンダリング業者を装って、違法商品の販売にかかわっていた多数の人物を割り出した。
こうした業者は「Silk Road」「AlphaBay」「Hansa」「Dream」といった闇サイトを通じて商品を販売していたとされる。
この作戦では、全米で90件以上の事案を摘発し、70カ所で捜索を行った結果、合成オピオイドやトラマドールやフェンタニルなどの麻薬鎮痛剤、コカインやMDMA、LSD、マリファナといった違法薬物を押収した。
拳銃やライフル、手投げ弾発射装置などの武器も発見されたほか、違法取引で得た現金や金の延べ棒2360万ドル相当、約2000ビットコインを含む2000万ドル相当の仮想通貨も押収された。
ダークネットで流通する医薬品などをめぐって米国では、麻酔用鎮痛剤フェンタニルを使用して死亡する人が前例のない数に達しているといい、今回の摘発により、そうした医薬品の流通も減るとの見通しを示している。
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