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» 2018年08月22日 10時00分 公開

フラッシュ対SCM(後編):SCMと永続メモリが実現するストレージボトルネックの解消

SCMやNVDIMMを効果的に使えば、これまで解決できなかったストレージボトルネックを解消できる。SCMやNVDIMMの用途や周辺動向を整理して紹介する。

[Chris Evans,Computer Weekly]

 前編(Computer Weekly日本語版 8月8日号掲載)では、NVMeを通して見えてきた次世代技術であるストレージクラスメモリ、不揮発性DIMMについて解説した。

 後編では、SCMや永続メモリを使ってストレージのボトルネックを解消する方法について解説する。

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ストレージ階層の利用

 現在は多種多様なストレージメディアが存在し、パフォーマンスの階層が形作られている。簡単にまとめると、以下のようになる(上から順に高速)。

  • NVDIMM
  • NVMe SCM
  • NVMeフラッシュ
  • SAS/SATAフラッシュ
  • HDD

 ストレージのパフォーマンスに関する問題を解決する鍵は、これらの技術を効率的に利用する方法にある。

ストレージボトルネックの原因

 ストレージに関する全ての問題は、2つのシナリオの結果になる可能性が非常に高い。一つはレイテンシが高過ぎる(削減する必要がある)こと。もう一つはスループットが低過ぎる(高める必要がある)ことだ。つまり、IOPSを向上させるかデータ転送量を増やすかのいずれかになる。

 こうしたボトルネックを解消するには、プロセッサと保存中のデータの中間にあるアクティブなデータ(ワーキングセット)をターゲットにする。つまり、高速メディアにキャッシュするか、ストレージ自体を高速メディアに交換する。

キャッシュ

 キャッシュは、コンピュータの発明以来ずっと存在している。通常、データセットの全データが一度にアクティブになることはない。アプリケーションによって異なるが、アクティブなデータやワーキングセットはほとんどの場合非常に小さい。

 キャッシュの狙いは、高速なメディアをワーキングセットで利用できるようにし、コストとパフォーマンスを最適化することだ。このコストとパフォーマンスが、利用するメディアを決める重要な要因になる。

 SCMや永続メモリは、キャッシュに適している。それは、どちらも低レイテンシのパフォーマンスを発揮するためだ。ただし、どちらもハードウェアかOSのサポートのいずれか(または両方)を必要とする。また、キャッシュにNVMeドライブやフラッシュドライブを使用することで、互換性の問題を減らすことも可能だ。

 「Windows」は、DAX(Direct Access)と呼ぶ技術を使ってSCMをサポートしている。これは「Windows Server 2016」から提供されている。「Linux」カーネルは、リリース4.2からNVDIMMをサポートしている。

 ハイパーバイザーは、仮想マシンのパフォーマンスを向上させるためにフラッシュおよびNVMe製品をサポートしている。「VMware vSphere」に搭載されている「vSphere Flash Read Cache」は、個別の仮想マシンのパフォーマンスを向上させる。また、同社の「Virtual SAN」はNVMeとNVDIMMをサポートし、永続ストレージのキャッシュに使えるようにする。

永続ローカルストレージ

 SCMや永続メモリは、ローカルストレージにも使える。

 回復機能をアプリケーションが管理する状況では、共有ストレージを使用する必要性はない場合がある。そのため、ホストに高速な永続ストレージを追加するだけでパフォーマンスが大幅に向上する可能性がある。

共有ストレージ

 ストレージサプライヤーは、ある時期オールフラッシュプラットフォームを用意していた。このプラットフォームは、全てのSCMやNVMeプロトコルをエンドツーエンドで使用することで、これまで以上のパフォーマンスを実現するよう進化している。

 HPE 3PARなどが提供するSCM対応のアレイは、優れた内部キャッシュ機能を提供する。

 HPE Nimble Storage、NetApp、Dell EMCはいずれも、NVMeをバックエンドで使用してSASプラットフォームのボトルネックを軽減するNVMe対応アレイを用意している。

分離型ストレージ

 コントローラーのボトルネック解消法の一つに、ストレージを分散させる方法がある。

 市場には、Datrium、E8 Storage、Apeiron Data Systemsの製品が既に出回っていて、さらにNetAppがPlexistorの買収に合わせて分離型ソリューションを発表した。こうした製品は、NVMeやSCM/永続メモリをフル活用する。だが、新しいサーバやストレージアーキテクチャが必要になる。

 こうしたソリューションでは、ストレージプロトコルの改変や改善が行われている。例えば、ファイバーチャネルやイーサネットを使用するNVMe over Fabrics(NVM-oF)は、NVMeのメリットをストレージネットワークにもたらす。これにより、共有ストレージアレイを使用する際に見られるレイテンシがある程度削減される。

 共有アレイの全てのサプライヤーが、バックエンドでのNVMeのサポートに移行すると予想される。フロントエンドでのNVMeは、IPとファイバーチャネルの両方で実現するだろう。フラッシュよりギガバイト当たりのコストが増えるため、SCMが主流メディアとして用いられるまでには長い時間が必要になると予想される。

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