情報部門は一番の“業務コンサル”であれ――コーセー 情報統括部長 小椋敦子氏長谷川秀樹のIT酒場放浪記(4/5 ページ)

» 2018年08月24日 07時00分 公開
[やつづかえりITmedia]

化粧品メーカーでも、総合職女性は少なかった

長谷川: 当社でもそういう話はあるんですけど、女性管理職を何十%以上にする、みたいな目標を宣言してやっていこうという企業、多いですよね。一般社員だったら「そうだ、そうだ」と言うかもしれませんが、小椋さんのように管理職になられている立場としては、どう思いますか?

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小椋: 数値目標、あれはすごく嫌なんですけれども、そうしないと進まないのかなとも思う面もあります。本来は男女関係なく優秀であれば登用されるし、優秀でなければ登用されない、そこに性別による差をつける必要はない。意識しなくてもそうなるのがフェアな世界だと思うんですけれども、そこに至るまでに性差の障壁がたくさんあるので。

長谷川: 小椋さんが入社した頃は、男女比はどんな感じだったんですか?

小椋: 私は1988年、男女雇用機会均等法の3年目に入社しているんですよ。その時は新卒採用が50人、その内研究職9人の中に女性が4人いました。その頃から研究所には女性が半分近くいたんです。研究職や技術職は女性が当時から多かったですね。店頭で販売するスタッフは女性ばかりですけど、文系の女性総合職採用は私の同期が初めてで数人でした。

長谷川: そうなんですね。化粧品会社だから、半分以上は女性のイメージでした。売り場以外は、圧倒的に男性なんですね。

小椋: まだまだ本社は男性が多いですよ。新卒採用で女性が半分になったのは10年くらい前からですね。

長谷川: 総合職でも女性の比率が上がってきたということですか?

小椋: そうです。化粧品という自分の好きなものを仕事にしたいということで、やっぱり女性の応募数が圧倒的に多くて、倍率が100倍以上になることもあります。それでも男女半々くらいで採用するので、結果的には女性の方がダントツに優秀です。

長谷川: じゃあ、男性に下駄を履かせてるわけですね。でも、小椋さんが入られた頃はどうしてそんなに少なかったんでしょうね?

小椋: 文系総合職の場合は、まず現場の営業を経験します。全国にある支店のどこに配属されるかも分かりませんし、転勤も定期的にあるため女性には不向きという風潮はありました。ですから当時は女性総合職は1年程度現場を経験後にすぐに本社勤務になるなど、男性とは異なる待遇だったと思います。ただし、それは一見すごく大切にしているように見えて、男性と同等ではない。

長谷川: 僕は外資系にいたので、完全に男女の差がなくて、逆に女性だからちょっと優しくしようというのもなかったんですよね。

小椋: それが理想だと思いますよ。ここ最近は、女子でも管理職になってバリバリやっていきたいという熱い想いを持って入ってくる子が増えてきました。でも、少し前までは、企画業務を続けていきたいけれども管理職にはなりたくないというような子も多かったんですよ。でも、「性別に関係なく、自分の能力をどう磨くかなんだよ」という教育をしていけば、変わっていく子たちもたくさんいるはずなんですね。それが、そもそも当たり前になっている外資系って、やっぱり素晴らしいと思います。

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