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» 2018年08月31日 11時00分 公開

ユダヤ人差別のヘイトスピーチか:人気アプリの地図に不正な地名、ニューヨークが「Jewtropolis」に

Snapchatなどの人気アプリに表示された地図では、ニューヨーク市の地名がユダヤ人差別的な「Jewtropolis」と書き換えられていた。

[鈴木聖子,ITmedia]

 位置情報サービスの米新興企業Mapboxは8月31日、同社が配信している地図の情報が何者かに改ざんされ、米ニューヨーク市の地名が不正に書き換えられていたことを明らかにした。これに先立ちSnapchatなどの人気アプリでは、ニューヨーク市の地名がユダヤ人差別的な「Jewtropolis」と表示されるという報告が相次いでいた。

 Mapboxはソフトバンクも出資する新興企業。Snapchatのほか天気予報アプリや旅行情報アプリなど多数のアプリに地図情報を配信している。今回改ざんされた地名については1時間以内に削除したと述べ、「悪意をもった編集は、他にも複数の憎悪編集を試みた者によって行われた」と説明。他の試みは成功しなかったことを確認したとしている。

photo Mapboxのブログ

 同社の地図は、1億3000万以上のデータセットから構成されており、1日当たり7万回を超す地図の変更はAIと人による検証を行っているという。「今回の問題は即座にAIで検出されたが、手作業による検証の過程で人為的なミスが起きた」と同社は説明している。

 今回の問題について、「地図のWikipedia」とも呼ばれるフリーの地理情報データ作成プロジェクト「OpenStreetMap(OSM)」は同日、ニューヨークの地名改ざんはOSMの地図編集プロジェクトに原因があったことを確認した。

 OSMによると、改ざんを行った人物は今後OpenStreetMapに貢献できないようにする措置を講じたという。実際には改ざんは1カ月前に行われていたが、Mapboxを通じて数千のアプリやWebサイトに配信されたことによって、問題が発覚した。

 OSMの地図編集はWikiスタイルで誰でも自由に参加でき、変更された内容のモニタもコミュニティーで行っている。「圧倒的多数の編集者は力を合わせて素晴らしいものを構築したいと思っており、その数は少数の腐ったリンゴを圧倒的にしのぐ」とOSMは強調する。一方で、今回のような問題を防ぐため、より良い品質保証ツールの開発などの取り組みも進行中だと説明した。

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