古いOSやPCを使い続けるとコスト面、セキュリティ面でリスクも MS、「Windows 7」EOS対策の説得方法を指南Microsoft Focus(1/2 ページ)

2020年のサポート終了を前に、「Windows 10」「Office 365」への移行を促したい日本マイクロソフトが、中小企業向けに新たな施策を開始。移行の特典を用意したり、古いPCを使い続けることのリスクを説明したりと、あの手この手で移行のメリットや重要性を訴求する。

» 2018年10月31日 07時00分 公開
[大河原克行ITmedia]

 2020年1月14日の「Windows 7」のサポート終了時点で、「Windows 10」の利用率を90%にまで高める計画を打ち出している日本マイクロソフト。同社はまた、2020年10月13日の「Office 2010」のサポートが終了するまでの2年間で、中小企業における「Office 365」の利用数を、現在の10倍にまで増やしたい考えだ。

 だが、この2つの目標を達成するには、超えなくてはならないハードルがある。中小企業における早期の移行促進だ。

サポート終了時期の認知、中小企業では依然低く

 日本マイクロソフトによると、大企業では、すでに95%が「Windows 10」への移行に向けた活動を開始。自治体においても、県レベルでは、Windows 7のサポート終了時期の認知率は97%に到達し、市や特別区での認知率も95%に達しているという。

 しかし、中小企業に目を向けると状況は一変する。Windows 7のサポート終了時期の認知率は、前回調査に比べて8ポイント上昇したものの57%にとどまっており、大企業並みの認知率には程遠い。

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 日本マイクロソフト 業務執行役員 Microsoft 365 ビジネス本部長の三上智子氏は、「サポート終了に向けた告知は2年前から開始しているが、認知を高めるための活動がまだまだ足りないと感じている」と説明する。

 日本マイクロソフトでは、2018年中に、全国で年間1000回のイベントやセミナーを予定しており、Windows 7やOffice 2010から新たな環境へ移行するよう訴求している。2018年9月時点で開催数は700回を超え、これまで約2万1000人が参加したとのことだが、中小企業に対しては、この成果は限定的と言わざるを得ない。

 三上本部長は、「年間1000回の開催に向けて順調に進んではいる。2018年中には、1000回以上、3万人を対象に実施できると考えている」と述べる一方で、「中小企業は、サポート終了の認知が遅れている。移行支援策などを通じて、日本の中小企業を元気にしたい」と話す。

キャッシュバックキャンペーンや「中小企業お助け隊」で移行促進

 こうした状況に対して日本マイクロソフトでは、2つの新たな施策を開始する。一つは「早期導入企業向けキャッシュバックキャンペーン」だ。

 2018年12月21日までに「Microsoft 365 Business」を購入したユーザー1人当たり1万円をキャッシュバック(先着200社)。「Office 365 Business Premium」を購入したユーザーには、1人当たり3000円をキャッシュバックする。

 もう一つは、「全国10都市キャラバンwith『中小企業お助け隊』」の展開だ。2018年11〜12月に、札幌、仙台、金沢、名古屋、大阪、広島、香川、福岡、熊本、沖縄の全国10カ所で、キャラバン型のイベントを開催する。

 無料で参加できる「クラウド活用による経営力強化セミナー」や、人材不足対策、働き方改革、営業力強化、財務・コンプライアンスなどをテーマにしたセッションなどを開催する予定だ。

Photo 左から、日本マイクロソフト 業務執行役員 Microsoft 365 ビジネス本部長 三上智子氏、「中小企業お助け隊」の公式アンバサダー 稲村亜美さん

 「われわれからは、とにかく情報を出すことが大切であり、それを分かりやすく伝える必要がある。簡単に移行を促進するための方程式はない。地道な活動が必要」と、三上本部長は、中小企業に対する訴求活動の基本姿勢を示した。

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