Google親会社Alphabet、広告好調で過去最高の売上高、「その他」の損失は拡大

Googleを傘下に持つAlphabetの10〜12月期決算は、売上高は過去最高の393億ドル、純利益は89億ドルだった。広告が好調だったが、クリック単価は下がり続けている。

» 2019年02月05日 08時43分 公開
[佐藤由紀子ITmedia]

 Googleを傘下に持つ米Alphabetは2月4日(現地時間)、第4四半期(10〜12月)の決算を発表した。Alphabet全体の売上高はモバイル広告が好調で過去最高を更新し、前年同期比22%増の392億7600万ドルだった。純利益は89億4800万ドル(1株当たり12.77ドル)で黒字転換だった。前年同期は米国の税制改正による多額の引当金の影響で、30億2000万ドルの純損失だった。

 売上高、1株当たりの純利益ともに、アナリスト予測(売上高は389億8000万ドル、1株当たり純利益は10.86ドル)を大きく上回った。

 alphabet 1 売上高

 Googleの売上高は前年同期比22%増の391億2200万ドルで、前期同様にAlphabet全体の約99%を占めた。Googleの広告売り上げは20%増と好調だった。

 TAC(トラフィック獲得コスト)は23%増。検索と連動した広告の伸びを示すペイドクリック数は66%増加。前期比では22%増だった。モバイル端末の普及の影響で下落が続いているクリック単価(CPC、クリックごとに広告主がGoogleに支払う単価)は29%減、前期比では9%減だった。

 Googleの「その他」部門(クラウド、YouTube、Google Play、オリジナルハードウェアなど)からの売上高は31%増の64億8700万ドルだった。クラウドが好調だった。

 ムーンショット部門の Access/Fiber、Calico、CapitalG、Chronicle、GV、Verily、Waymo、Loon、Xなどをまとめた「その他」の売上高は25%増の1億5400万ドル、営業損失は13億2800万ドルだった。FiberとVerilyが売り上げに貢献した。

 スンダー・ピチャイCEOは電話会見で「Googleは、すべての情報をすべての人々にアクセス可能で有用なものにするという使命を担っている。広大なインターネット上で正確で信頼できる情報を提供することは非常に複雑な課題であり、難易度が高まっている」と語った。

 同氏は前回同様電話会見で、AIの取り組みについての説明に時間を割き、同日発表した聴覚障害者向けアプリについても触れた。

 Googleはハードウェアの販売台数などを業績発表で公表しないが、ピチャイ氏はハードウェアは同四半期に数百万台売れたと語った。YouTubeに関しては、チャンネルの数が100万件を超え、5桁ドル単位の収益を上げているクリエーターが前年より40%増加したと語った。

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