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» 2019年03月28日 07時00分 公開

茨城県、RPA導入への道【後編】:ITは“お役所事情”を変えられるのか? RPA導入で茨城県庁が明かす「今の課題」と「必要な変化」 (3/4)

[高木理紗,ITmedia]

「大胆に、しかし慎重に」RPA導入に立ちはだかる、県庁独特の課題とは

 戸澤氏は、「今回の実証実験が成功したのは、たまたま(対象業務の)担当者の方が現場の業務をよく知っていて、協力的だったからだと考えています。Excelの認証といった細かい挙動を含め、実際に(自動化のための)フロー図も現場の職員の手で書いてもらいましたし、自動化しやすいように入力方式を少し変えた部分もありました」と話し、県庁が抱える自動化への課題について、こう明かす。

photo 茨城県庁のICT戦略チームでグループリーダーを務める戸澤雅彦氏

 「県庁では、いろいろな業務を経験するため、職員が3年くらいで異動してしまいます。そうすると、業務によっては内容がマニュアル化されていなかったり、同じ業務でも人やセクションによってやり方が違ったりするケースが結構あり、その辺りはほぼ整備されていません。

 業務のデータがそもそも電子化されていない場合もあります。行政は文書主義なので、文書で全て記録してあるのは正しいのですが、電子データ化しないうちは、現在県庁で進めているテレワークを含め、ICTの活用にはなじまないでしょう。そうした部分の改善も、今後はセットで進めなければならないと考えています」(戸澤氏)

 今後、茨城県庁では、ICT戦略チームを仲介役として、現場のニーズに応じたロボットの作成をベンダーに任せ、運用や業務の選定などを県庁が担う形でRPA導入を進めたいという。

 菊池氏は「他の自治体の場合、ある程度仕組みを学ぶことで(ロボットを)自分たちで作るケースがあるようですが、それを(庁内の)各担当業者に要求するのは難しい。定型業務を抱えているような部署は、忙しいところが多いので、(RPA導入と新たなスキルの学習を)両方やれ、というのは無理があると思います」と語る。

photo ICT戦略チームのリーダーを務める菊池睦弥氏

 RPAの運用については、2019年度はICT戦略チームが担うものの、最終的には現場の業務担当者がロボットを運用する形にしたいという。ただし、職員の異動が頻繁に起こる県庁の場合、運用の属人化などが原因で、あとになってロボットが制御不能になる、いわゆる「野良ロボット」状態を防ぐためにも、管理マニュアルや運用ルールの徹底は必須だ。

 また、「(トラブル発生時などの対応を)ベンダーに任せきりにせず、本当は職員が簡単なメンテナンス程度ならできるようになった方がいいと考えています。ロボットに少し修正が入っただけで、次の担当職員に代わった時に引き継げなくなってしまうのもおかしいので。ただ、いくらプログラミングが簡単なソフトでも、難しい部分もあります。そのあたりの職員のスキルアップも含め、今後模索していくしかないのかなと考えています」(戸澤氏)

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