OSのアップデートはなるだけ早く適用したいもの。とはいえ、最近のWindows Updateの不具合を含め「そうは問屋が卸さない」事情も分かります。事故やマルウェアを防ぎ、OSを最善の状態に保つ“タイミング”を考えてみました。
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企業においても個人においても、多くの方が「Windows 10」環境に移行しているのではないでしょうか。特に個人ユーザーの場合、新たにPCを購入する際は、よほどの事情がない限り最新のOSが搭載されたものを選ぶでしょう。セキュリティ面を考えても、昔のバージョンより最新のバージョンのOSのほうが、既知の脆弱(ぜいじゃく)性への対応状況を考えても安全です。企業においては必須のアプリケーションが対応しているかどうかで判断が分かれますので、アップグレードは情報システム部の指示に従ってください。
Microsoftは、定期的に、OSやソフトウェアなどの機能アップデートを「Microsoft Update」として提供します。このうちWindowsに関する機能アップデートを、「Windows Update」と呼びます。2019年6月3日現在、Windows 10の最新アップデートは「Windows 10 May 2019 Update(バージョン1903)」と呼ばれるもので、順次提供されつつあります。
が、ここ最近のWindows Updateでは、配信後に問題が明らかになるケースが少なくありません。記憶に新しいのは、前回の機能アップデートである「October 2018 Update(バージョン1809)」に発生したファイルの消失という致命的な問題でしょう。この1件の影響で、今回のアップデートに慎重になっている人も多いと思います。既に今回のMay 2019 Updateについても、いくつかの不具合がレポートされています。
企業でWindows 10を運用している場合、基本的には情報システム部がこうした不具合が解決したころを見計らって、アップデートのタイミングをコントロールしているはずです。では、私たち“普通のユーザー”はどうしたらいいでしょうか? アップデートの公開を知らせる記事は常に出ていますが、一体どのタイミングで適用するのが最善なのでしょうか?
……と、ここまでこの問題を振り返ってきましたが、早々に私の結論をお伝えしてしまいましょう。驚く読者もいるかもしれませんが、私はWindowsの機能アップデートに関しては、「放置する」のが正解だと考えています。というのも、最近のOSは何もいじらなければ自動でアップデートを適用するからです。つまり、ユーザー側にとって、「放置する=アップデートのタイミングをOSに任せる」というのが最適解なのです。
今回、上記のようにMay 2019 Updateが公開され、すでに不具合が発見されています。Microsoftはこのような機能アップデートを“順次適用される”ように設定しており、大きな不具合が発生した際は、その配信を調整します。そのため、OSに任せておけば、しかるべきタイミングでアップデートが適用されます。
半年ごとに提供される機能アップデートは、本当に今すぐ必要な機能が含まれている場合、あるいは開発や検証目的で先行して試したいといった事情がない限り、あえてすぐに対応する必要はありません。
適用を行う際には、リリースノートや手順をしっかり読んでおく必要があります。May 2019 Update(バージョン1903)の場合、Windows 10 Homeであっても、機能アップデートの適用を最大35日まで保留できます。そのため、ある程度の時期まで不具合が解決するのを待ち、以降は自動適用を行った方が良さそうです。
ただし、ここで覚えておいてほしいのは、「放置していいのは、あくまで機能アップデートに限った話」という点です。それとは別に「Microsoft側が発表したら、すぐに適用すべき種類のアップデート」があります。さて、何でしょう?
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