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» 2018年11月19日 14時00分 公開

Windows 10「October 2018 Update」のファイル消失問題とは何だったのか鈴木淳也の「Windowsフロントライン」(1/3 ページ)

ファイル消失問題によって配信停止に追い込まれていたWindows 10の大型アップデート「October 2018 Update)」。ようやく配信が再開されたが、Windows 10における開発体制や配信手順には見直しが必要との声が少なくない。

 Windows 10の大型アップデート「October 2018 Update(バージョン1809)」は名前の通り、2018年10月に配信が開始されたが、その直後に問題が発覚して配信停止となっていた。それから1カ月以上が過ぎ、米Microsoftは11月13日(現地時間)になって、ようやく配信再開の発表を行ったが、一体何が起こっていたのだろうか。

1809 ようやく配信が再開されたWindows 10大型アップデート「October 2018 Update(バージョン1809)」

October 2018 Updateの配信直後に発生したファイル消失問題

 October 2018 Updateは、10月2日に米ニューヨークで開催された「Surface」新モデルの発表イベントに合わせる形で配信が始まった。人目を引く新ハードウェアの発表とともに、Windows 10の大型アップデートもアピールしたわけだ。

Surface October 2018 Updateの配信開始とともに発表された「Surface Pro 6」(左)と「Surface Laptop 2」(右)

 しかし、その4日後となる10月6日にはOctober 2018 Updateの配信が完全にストップした。同日、Windows 10のサポートページでは「アップデート後に幾つかのファイルが消えたという個別のユーザーからの報告を調査中で、Windows 10 October 2018 Update(1809)の全てのユーザーへの展開を停止しています」と告知された。また、同社のユーザー参加型開発プログラム「Windows Insider Program」を担当するドナ・サルカール氏もTwitterで同様の告知を行った。

 実際、October 2018 Updateは配信開始の直後から、適用後にユーザーフォルダの直下にある個人ファイルが全て消滅したというトラブルの報告がネット上で散見されていた。Twitterの投稿に加えて、Redditなどでも関連のスレッドが立ち、問題を報告するユーザーが相次いだ。

 こうした状況を把握したMicrosoftは、配信開始から4日後にようやく配信の停止に踏み切った格好だ。同社の公式コメントは「安全を鑑みて、全ての配信チャネルでのアップデートの提供を止めている」というものだった。

 なお、筆者も含めて既にWindows Insider Programを通じてOctober 2018 Updateに相当するバージョンの「Build 17763.1(もしくは17763.14)」を導入していたユーザーについては、配信停止のタイミングでFast Ringに「Build 17763.55」が提供された。また、翌週の10月9日にはSlow RingとRelease Preview、そしてOctober 2018 Updateを導入した一般ユーザーにも範囲を広げて提供された。

1809 筆者がいち早く導入していたOctober 2018 Update相当のWindows 10 Insider Previewビルド「Build 17763.1」

 Build 17763.55のリリースノートによれば、同アップデートでは通常のセキュリティ対策の他、前述のファイル削除問題への対処に触れられている。先に対策アップデートをWindows Insider Programの参加者に配布することで、一連の問題の先行チェックと対処を行うことが狙いだったとみられる。

 このBuild 17763.55は主に「既にOctober 2018 Update(Build 17763)をインストールしたユーザー」を対象とした対策アップデートで、10月16日にはWindows Insider ProgramのSlow RingとRelease Previewのユーザーを対象に「Build 17763.104」の配信がスタートした。

 さらに、翌10月17日にはFast Ring向けに次の大型アップデート「19H1」(2019年春の配信予定)に相当する「Build 18262」の配信を開始しており、新機能の開発をFast Ringに、デバッグ等の検証作業をその他のRingに割り当てる分岐を行っている。

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