M5チップ搭載のMacBook Airは、もはやMacの単なる「入門機」ではない。GPU性能も上がり、動画編集や軽い開発用途まで視野に入る。今や名前の印象よりもずっと本格的なモバイルMacになっている。
しかし、そんなMacBook Airの完成度の高さと引き換えに、Macのラインアップから1つ“空いた”席がある。
毎日のWeb、メール、文書作成、オンライン会議、写真整理――日常のタスクを気持ちよくこなせれば十分だけれど、安っぽい道具は使いたくないという人のためのMacだ。
「MacBook Neo」は、そこを狙ってきた製品だ。
MacBook Neoの直販価格は、Touch IDなし/256GB SSDの下位モデルで9万9800円。学生/教職員なら、8万4800円で買えてしまう。これに1万5000円をプラスすると、Touch ID付き/512GB SSDの上位モデルにも手が届く。
現行のApple製ノートPCで「10万円を切るMac」という役割を持つのは、このMacBook Neoだけだ。
MacBook Neoは、かつてのネットブックのように「とにかく安くしました」という作りではない。Macとしての使い心地を支える部分、そして道具として手元に置いたときの品位は崩さず、その上で価格だけを下げようとしている。
もちろん、よくよく見てみると割り切った部分はある。だが、割り切り方は“雑”ではない。どこを残して、どこを引くか――その判断がこの製品の面白さであり、Appleらしさでもある。
Apple StoreでMacを購入する場合は細かくカスタマイズ(CTO)することもできるが、MacBook Neoではキーボードの配列以外のカスタマイズができず、9万9800円の「Touch IDなし/512GB SSD」か11万4800円の「Touch ID付き/512GB SSD」の2択となる重要なのは、このMacBook Neoが単なる「安いMac」ということではない点にある。
長い間、日本市場では10万円前後のMacBook Airが「最初に買うMac」として機能していた。学生が初めて持つPCであり、家の中で共用される1台であり、あるいはWindows PCから乗り換えるきっかけでもあった。
ところが、円安や価格改定に加え、MacBook Air自体が高性能化したことで、今のAirは「エントリーの“1つ上”にある製品」となってしまった。製品としての魅力が増した一方で、「最初の1台」としては少し遠い存在にもなってしまった。
MacBook Neoが埋めるのは、まさにその“隙間”だ。
もちろん、クリエイティブワークの主戦場には立てない。拡張性も高くない。だが、毎日使うPCに本当に必要なものは、案外そこまで多くない。何を残し、何を諦めるのか――その“線引き”をきちんとやった製品として見るべきだろう。
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