Microsoftに「クールな会社」像は不要――幹部が語る過去からの脱却Mocrosoft Focus(1/2 ページ)

7年前のMicrosoftと今のMicrosoftはまったく別の企業だと、チーフストーリーテラーのスティーブ・クレイトン氏は語る。7年前というと、ちょうど、現在の新たなロゴへと変更したタイミングだ。シアトルのMicrosoft本社を訪れてビジネスモデルと企業文化の変化を追った様子を、2回に分けてレポートする。

» 2019年06月26日 07時00分 公開
[大河原克行ITmedia]

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Microsoft設立当時のビル・ゲイツ氏とポール・アレン Microsoft設立当時のビル・ゲイツ氏とポール・アレン氏

 Microsoftがビル・ゲイツ氏とポール・アレン氏によって設立されたのは、今から44年前の1975年4月であった。

 当時のMicrosoftが掲げたミッションは、「A computer on every desk and in every home(世界中にある全ての机と家庭にコンピュータを置くこと)」であった。だがそのミッションは、設立から10年を経過すると、ほぼ達成されてしまった。

 その後、幾つかのミッションが掲げられたが、同社のチーフストーリーテラー(注)を務めるスティーブ・クレイトン氏は、「2014年2月にサティア・ナデラ氏がCEOに就任する前の約10年は、しっかりとしたミッションステートメントがなかった」と振り返る。それがMicrosoftの業界でのポジションを危うくした。PC業界の巨人は、急激なモバイルデバイスの成長に追いつけず、スマートフォンやタブレットを含むITハードウェア全体で見れば、台数シェアはわずか10%強という「限られた市場の中での巨人」でしかなくなっていた。

(注)チーフストーリーテラー(Chief Storyteller):その企業の理念やブランドについてのメッセージ、創立の歴史といったストーリーを発信する役割を担う役職

Microsoftのスティーブ・クレイトン チーフストーリーテラー Microsoftのスティーブ・クレイトン チーフストーリーテラー

チーフストーリーテラーが語る、Microsoftの再興

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