7年前のMicrosoftと今のMicrosoftはまったく別の企業だと、チーフストーリーテラーのスティーブ・クレイトン氏は語る。7年前というと、ちょうど、現在の新たなロゴへと変更したタイミングだ。シアトルのMicrosoft本社を訪れてビジネスモデルと企業文化の変化を追った様子を、2回に分けてレポートする。
この記事は会員限定です。会員登録すると全てご覧いただけます。
Microsoftがビル・ゲイツ氏とポール・アレン氏によって設立されたのは、今から44年前の1975年4月であった。
当時のMicrosoftが掲げたミッションは、「A computer on every desk and in every home(世界中にある全ての机と家庭にコンピュータを置くこと)」であった。だがそのミッションは、設立から10年を経過すると、ほぼ達成されてしまった。
その後、幾つかのミッションが掲げられたが、同社のチーフストーリーテラー(注)を務めるスティーブ・クレイトン氏は、「2014年2月にサティア・ナデラ氏がCEOに就任する前の約10年は、しっかりとしたミッションステートメントがなかった」と振り返る。それがMicrosoftの業界でのポジションを危うくした。PC業界の巨人は、急激なモバイルデバイスの成長に追いつけず、スマートフォンやタブレットを含むITハードウェア全体で見れば、台数シェアはわずか10%強という「限られた市場の中での巨人」でしかなくなっていた。
(注)チーフストーリーテラー(Chief Storyteller):その企業の理念やブランドについてのメッセージ、創立の歴史といったストーリーを発信する役割を担う役職
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.