日本マイクロソフト新社長に吉田仁志氏 日本ヒューレット・パッカードの前社長としてDX支援の経験

吉田氏は、日本ヒューレット・パッカードの前社長としてクラウドをはじめとするDX支援の戦略強化に取り組んだ経験を持つ。

» 2019年10月01日 12時19分 公開
[ITmedia]

 日本マイクロソフトは2019年10月10日、吉田仁志氏が新たに同社の社長に就任すると発表した。吉田氏は、同年9月30日まで、米国Hewlett Packard Enterpriseの日本法人である日本ヒューレット・パッカードの社長を務めていた。

新たに日本マイクロソフトの社長に就任した吉田仁志氏(画像提供:日本マイクロソフト)

 吉田氏は、1983年に米国タフツ大学を卒業し、伊藤忠グループの事業会社に入社。その後米国に戻り、スタンフォード大学大学院でコンピュータ・サイエンスの修士号、ハーバード大学ビジネススクールで経営修士号(MBA)をそれぞれ取得。ケンブリッジ・テクノロジー・パートナーズやノベル、SAS Institute Japanの社長を歴任後、2015年から2019年9月30日まで、日本ヒューレット・パッカードの社長を務めていた。

 日本マイクロソフトは、吉田氏のミッションについて「日本のお客様やパートナー様のデジタルトランスフォーメーションの推進を加速させることに注力し、マイクロソフトの企業ミッション『地球上のすべての個人とすべての組織が、より多くのことを達成できるようにする』の実現を日本において遂行します」としている。

 日本マイクロソフトは、2019年8月末で平野拓也前社長が退任し、米国のMicrosoft本社で新役職に就任。以来、1カ月もの間社長不在の状態が続いていた。平野前社長は、就任以来同社のクラウド「Microsoft Azure」(以下、Azure)の日本市場普及をはじめ、物流や産業、教育といった分野別のソリューションの販売強化に努め、売り上げの成長に貢献。その業績を高く評価されていた。

 一方、平野前社長の退任後、同社は2019年9月に新役職を含めた執行役員体制を発表。顧客向けのスキル育成プログラムや産業分野別の販売戦略の強化などに意欲的に取り組む姿勢を見せている。

 吉田氏の在任中、日本ヒューレット・パッカードは、平野前社長の在任中に日本マイクロソフトも取り組んでいた働き方改革をはじめ、顧客企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)支援に向けたハードウェアやIT基盤、中小企業向け製品やソリューションなどの拡充に取り組んだ。

 また、VMwareの顧客向けハイブリッドクラウドや、Azureのサービスをオンプレミス環境で可能にするハイブリッドクラウド製品パッケージなど、クラウドを巡って日本マイクロソフトを含めた他社との提携を進めていた。

 他社とはいえど、これまでの日本マイクロソフトの方向性にも重なるDX支援の経験を備えた新社長は、同社の経営指針にどのような影響を与えるのか。今後の動向に注目だ。

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