自分の目で見て、耳で聞いて、頭で考えよう――「100%の安全のセキュリティ」という呪縛から脱出するポイントは?(1/2 ページ)

サイバー攻撃にどのように備えればいいか分からない――そんな漠然とした不安は、物事を正しく知り、守りたい物を決めて普段から準備することで「安心」に変えていくことができると辻氏は言う。

» 2019年12月06日 12時00分 公開
[高橋睦美ITmedia]

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SBテクノロジーの辻伸弘氏

 2020年の日本で開催されるビッグイベントを控え、サイバー攻撃に対する漠然とした不安が広がっているようだ。中には、一体どこまで対策すれば安全なのか分からないという思いを抱く人もいるだろう。

 これに対しSBテクノロジー 技術統括 脅威情報調査室でプリンシパルセキュリティリサーチャーを務める辻 伸弘氏は、マカフィー主催のセキュリティカンファレンス「2019 MPOWER Cybersecurity Summit」の「安全からの脱出〜脅威と向き合う道標〜」と題するセッションに登壇した。そこで、いくら突き詰めてもきりがない「安全」を追いかけるよりも、有限のリソースと向き合いながら自分たちで「安心」と思えるラインを見極める、つまり言葉本来の意味である「つまびらかにする」「明らかにする」意味での「諦め」が大切だと述べた。

 辻氏によると、正しく諦めるのに不可欠なのは、「物事を正しく知ること」だという。世の中にはさまざまなメディア報道や専門家のコメントがあふれているが、その中には間違いがあるかもしれない。うのみにするのではなく「自分の目で見て、耳で聞いて、自分の頭で考えることを実践してほしい」と辻氏は話す。

「何億件」というけれど、その数字の意味するところは?

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