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なかなか進まない「働き方改革」。いつまでも低い生産性による長時間労働といった従来の働き方に対して不安や焦りを感じる一方で、自分の力で組織を動かすのは難しい。そのようなジレンマを感じている人もいるかも知れません。
本連載「身の丈に合った『一人働き方改革』のすすめ」では、そのような状態にある中で、自分一人でできることからはじめる「一人働き方改革」の考え方やあの手この手の方法を紹介するものです。
第4回となる今回は、自らの仕事のパフォーマンスを上げるために重要な「集中」について考えていきます。
本連載では、「生産性」を「投入した時間に対する自分や会社・チームが得られる未来のお金、時間、信頼などの価値の量」と定義しました(第一回参照)。つまり、生産性を上げることは、より少ない時間でより大きな成果を上げることです。
自分一人で始められるかつすぐに効力が見られる施策として、第2回で使用する装備(PCやモニター、周辺機器)を整えること、第3回で操作をするスキルとスピードを上げることを紹介しました。もう一つ、すぐに効果が上がりながらもあまり注目されていない要素があります。
それは「集中」です。
例えば、店内が騒がしい居酒屋。店員が次々に注文を運んできて、隣の客がよく話に割り込んできます。しかも終電近くの時間帯で、あなたはそれなりのアルコールを摂取しています。
その中、上司から「ここで高いパフォーマンスを持って仕事してください」と指示されたら、あなたはどう思いますか。都度発生する隣の客の割り込みで作業は中断されます。雑音が多く、いろいろな情報が目や耳に入ってきます。そもそもアルコールを摂取して脳が正しく機能していないので、思考がまとまりません。「こんなに集中できない環境で、仕事なんかできない」と思うでしょう。
これは極端な例ですが、職場でのあなたの集中度合いも同じ状態に近いかもしれません。逆に、割り込みや雑音がない環境で、脳が正常に機能していれば、より集中して仕事できるので、生産性が上がるのは必然です。その集中できる状況を作り出せれば、今からでも生産性を上げられるのです。
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