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» 2020年02月26日 07時00分 公開

半径300メートルのIT:IT情報の記者が見る「ウイルス対策」最前線 有事に役立つ備えとは (1/2)

新たな感染症によって、世界の状況が変わりつつあります。各企業がイベントの中止や延期、在宅勤務への体制変更などでこの変化に対応している様子が話題です。上手く対応できた企業とできなかった企業の違いとは……?

[宮田健,ITmedia]

 “新型コロナウイルス”こと「COVID-19」が各国に広がりつつあります。まずは対策の最前線に立つ関係者の皆さまに敬意を表しつつ、被害に遭われた皆さまに心よりお見舞い申し上げます。

 企業の取り組みについてはGMOグループを筆頭に、在宅勤務の推進が話題です。大人数が集まるイベントも延期や中止が相次ぎ、IT関連の勉強会やセミナーの多くで開催が見送られています。

 このような災害時には、感染症に関する正しい知識と情報を身につける大切さを身に染みて感じます。また、SNSにべったり張り付くことでむしろストレスをためてしまう人もいるはず。いったん、ネットから距離を置くことも必要かもしれません。

ITの世界における「ウイルス」を振り返る

 さてITの世界でウイルスといえば「コンピュータウイルス」。最近では「マルウェア」という呼称も定着しているので印象は薄いかもしれませんが、そもそもコンピュータウイルスに関連する用語は人間に作用するウイルスになぞらえてあります。コンピュータウイルスの起源は、1982年の「エルク・クローナ」といわれています。エルク・クローナは、シンプルなメッセージを表示するだけのものだったそうです。

プレイバックPart.I:ウイルスのかたち、脅威のかたち :セキュリティ対策の「ある視点」(12) - @IT

 現在コンピュータウイルスは、インターネットに存在する「悪意」の象徴です。悪意はさまざまな手を使ってシステムに不正侵入しようとしてきます。われわれは不正侵入を防ぐため、普段と違う挙動を検知する仕組みや感染したデバイスを隔離する仕組みなどで備えています。これはまさに、感染症における検疫対策と一緒。感染症に対して私たちにできるのはうがいと手洗い、PCの世界においてはアップデートやバックアップ、IDとパスワード管理……といったところでしょうか。

働き方改革を超え、死活問題となった「テレワーク」

 さて、COVID-19は特にIT関連企業に対し、即効性のある大きな変革を強いることになりました。GMOグループはいち早く、2020年1月27日から全従業員の9割にあたる約4000人を対象に在宅勤務とするリリースを発表。後に大手IT系企業が続々と同様の施策を発表しました。

GMOインターネットグループ、新型コロナウィルスの感染拡大に備え在宅勤務体制へ移行 | GMOインターネット株式会社

 さらに、IT関連のイベントにも大きな変化が起きました。多くのセミナーやカンファレンスが中止になったり延期になったりしています。しかし興味深いのは、集合型セミナーから「オンライン開催」への変更が目立つこと。ここからは、ITの強い「復元力」が見えます。

コロナウイルスに関する国内テックカンファレンスの開催状況 2020 年版

 そして、記者としての私の動きにも変化がありました。記者発表も数十人が集まるイベントであるため登壇者が来日できず、急きょオンライン取材になることが増えたのです。この変更によって私自身も満員電車のリスクから解放され、非常に有用だと思いました。

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