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» 2020年07月09日 07時00分 公開

資料作りの生産性を上げる――スピーディーに資料を作成する5つのポイント身の丈に合った「一人働き方改革」のすすめ(1/2 ページ)

業務において必須ともいえる「資料作り」ですが、いくつかの工夫で生産性向上が可能です。今回は特に、素早く資料を作るポイントをお伝えします。

[高橋宣成,ITmedia]

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 「働き方改革」の世間の広がりに反して「自分の会社はあまり動きがない……」そう思う方がいるかもしれません。資金力や人材が潤沢ではない中小企業にとって、働き方改革はどうしても後回しになりがちです。

 しかし、個人レベルでも着実に働き方は改善できます。本連載「身の丈に合った『一人働き方改革』のすすめ」では、自分一人で始める働き方改革について、さまざまな手法を紹介していきます。

 第8回の今回は「資料作り」に着目していきましょう。

業務で作成する資料は多岐にわたる

 「資料」と聞いてすぐにイメージするのは、プレゼン資料や企画書でしょう。しかし、それ以外にも会議資料や議事録、プレスリリース、日報、週報、お知らせ文書、契約書、請求書、稟議(りんぎ)書、経費精算書など、業務で作成する資料は多岐にわたります。

 資料作成に使用するソフトウェアも1つではありません。計算や集計には「Microsoft Excel」(以下、Excel)や「Google スプレッドシート」、文書作成には「Microsoft Word」(以下、Word)や「Google ドキュメント」、プレゼンテーション資料作成には「Microsoft PowerPoint」(以下、PowerPoint)や「Google スライド」をそれぞれメインで使用するでしょう。資料作成に情報収集が必要であれば、「Google Chrome」を利用します。文書管理アプリケーションやその他のシステムから、資料やデータを探すこともあります。

 実際の作業内容も一概には言えません。「情報を収集する」「資料構成を考える」「文章を書く」「集計をする」「表やグラフを作る」「書式を整える」「配置を調整する」などさまざまです。つまり、多様な作業の集合体が「資料作り」なのです。

資料作りはなぜ時間がかかるのか

 資料作りでは、多様なデータを対象にさまざまな作業を実施する必要があることまでは分かりました。しかし、作業の種類が多いから資料作りに時間がかかるわけではありません。実際には次に挙げる3つが原因になります。

1.適正時間が分からない

 ビーブレイクシステムズの「業務システムに関する実態調査」によると、経営レポートの作成時間について以下のような調査結果が出ています。

経営レポートの作成時間で最も多かったのは「1時間以上5時間未満」(27.9%)で「30分以上1時間未満」(18.8%)

全体を見ると「10分未満」(4.6%)から「20時間以上」(2.1%)まで幅がある。

経営レポートの作成にかかる作業時間(出典: ビーブレイクシステムズ)

 結果は大きくばらつきが出ています。それもそのはず、企業にとって求められる経営レポートは異なるため比較が難しいのです。つまり、この調査結果は「経営レポートにかける適正時間は分かりづらい」ということも示唆しています。

 では、経営レポートではなくプレゼン資料ではどうでしょうか。あるいはプレスリリースでは適正時間を見積もれるでしょうか。

 どのような種類の文書でも、「何時間で作るのが適正か」という問いに答えるのは難しいと思います。資料作りの生産性を向上させるためには、この「目標値が定めづらい」という特性を強く意識する必要があります。

2.期限まで作成時間が膨張してしまう

 仕事に関しての有名な法則に「パーキンソンの法則」があります。この法則の1つ目は以下のようなものです。

 第1法則:仕事量は、完成のために与えられた時間を全て満たすまで膨張する

 ほとんどのタスクには必ずといっていいほど「期限」が与えられます。この前提で、資料作成をパーキンソンの第1法則に当てはめると、資料作成のタスクが生じた瞬間から期限まで、めいっぱい時間をかける可能性が高いということです。これが資料作りの時間に幅が出る大きな要因です。

3.資料作りの工程には得意不得意がある

 次に、資料作りの工程を考えてみましょう。資料作りの工程は以下の3つに分類できます。

  1. 素材収集
  2. 構成
  3. 制作

 (1)素材収集は、資料に必要なデータや情報を集める工程です。検索力や情報整理能力を必要とします。

 (2)構成は、どちらかといえば手を動かすことよりも、考えることが中心の工程です。資料の目的を逆算し、「どのような資料を作るべきか」「どのような順番で情報を提供するか」「どのような素材を集める必要があるか」などを考え、資料の方向性や全体像を形作ります。

 そして、最後の段階が(3)制作です。先の構成を基に実際の資料を作成していきます。「資料作り」というと、この工程をイメージすることが多いかも知れません。

 大手の外資系コンサルティング会社などは、実はこの3つの工程を分業制にしていることがあります。それぞれの工程で求められるスキルが大きく異なるからです。しかし、多くの日本の中小企業は違います。3つの工程のいずれかが不得意だと資料の完成に時間がかかる、という問題が起こります。

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