サーバデータ消失の原因が運用側のミスだった場合、サービス利用側はどのように対応するべきなのでしょうか。実際の事例から考えます。
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クラウド時代のインシデントとして非常に興味深く、そして頭が痛い事件が起きました。
2020年11月1日、ふくい産業支援センターが運営するWebサービス「ふくいナビ」が障害によりサービスを停止しました。サーバ管理会社のNECキャピタルソリューションによる調査の結果、サービス停止の理由は「クラウドサーバのデータが完全に消失したこと」だと判明しました。
驚くべきは、このサーバデータ消失の原因がマルウェアによる感染でもサイバー攻撃でもない点です。ふくい産業支援センターは、2020年10月31日を更新期限とするクラウドサーバの賃貸借契約を、期限前の同年10月13日に更新しました。しかし、NECキャピタルソリューションの社内手続きの瑕疵(かし)により更新処理が反映されずに貸与期間が終了してしまい、クラウドデータが完全に消えてしまったとのことです。
ふくい産業支援センターは「システムと登録データは、バックアップを含め完全に消失し、復旧には相当の期間が必要で再稼働の時期は現時点では未定だ」とコメントしました。この事件に関するNECキャピタルソリューションの報告はまだありません。
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