Dell Boomiが提供するiPaaSはなぜいま日本に必要なのか

IPaaSを掲げるDell傘下のBoomiが日本企業向けのアプローチを本格化する。APIマネジメントでありローコード開発ツールであり、EAIでもあるBoomiはDXを急ぐ日本企業にどんなメリットをもたらすか。

» 2020年11月30日 10時30分 公開
[原田美穂ITmedia]

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堀 和紀氏

 デル・テクノロジーズ傘下のBoomiが日本での活動を強化する。日本法人社長にNECや元日本マイクロソフトで数々の要職を歴任した堀 和紀氏を迎え、日本企業のDX推進を支援する。

 Boomiは2010年にDell Technologiesが買収した企業だ。2017年には日本法人を設立していた。それから3年後の今、同社トップに業界経験が長く日本企業をよく知る堀氏を招いたしたのは、日本市場の機が熟したとの判断もあったのかもしれない。

 Boomiが提供するサービス群は「integration Platform as a Service」(iPaaS)と呼ばれる。その名の通り、システム間のインテグレーションを支援する各種機能を一括提供するクラウドサービスだ。

1 Boomiが提供する機能の全体像

 日本法人の社長に就任した堀氏は、日本市場でこれから起こることとして、レガシーシステムのモダナイズと、それに伴うAPIエコノミーの拡大を予測する。データを活用した価値創出を考えるとき、まず着手しなければならないのは、企業内にサイロ化した状態で残るシステム群の刷新あるいはデータ連携だ。これらを実現するには、まずレガシーシステムからデータを獲得しなければならない。各システムからのデータ収集、データプレパレーションと呼ばれる下準備、各種データの適切なマッピングなど、データを正しく活用するには手前に多数の行程が必要だ。

Boomiが持つ具体的な機能は? 内製化&DX推進につながる機能は

 一般的には各システムからのデータをつなぎ込む部分を実装するだけでも相当なコストと工数がかかる。また、こうした仕組みを適切に設計するには社内でもデータやシステム設計の可否を見極められる人材が必要だ。実現には大手SIerなどと手を組んで相応の投資も必要だが、失敗すれば大きな損失となるため、着手できる企業は限られる。

 個別の機能で見れば、データ接続であればEAIツール、データプレパレーションも専用ツールがある。データマッピングも同様だ。APIマネジメントも専用ツールの選択肢はいくつもある。Boomiの特徴はそれらの機能を統合して提供できることと、個々の機能がマルチクラウド、ハイブリッド環境を想定しており、データマッピングではAI(人工知能)を活用した効率化も実現している点だ。具体的には次のような機能を提供する。

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