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» 2020年12月21日 11時11分 公開

国内でもいよいよProject APEXサービス本格化へ、デル サーバ部門は選択肢の多様化と利便性の両立を目指す

as a Service型の製品提供を推進すと表明したデル。日本でも選択肢の多様化や顧客の財務モデルの変化に対応した販売体制を強化する。

[渡邉利和,ITmedia]

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 12月15日、デル・テクノロジーズはサーバ事業の戦略を発表した。2020年9月10日に発表した同社の事業戦略に基づき、サーバ事業における5つの施策として、「製品ポートフォリオの拡充」「消費モデルの導入」「新たな価格戦略」「顧客サポート力の強化」「販売エコシステムの強化」を発表した。

日本企業のDX推進には意思決定スピードを上げる必要がある

デル・テクノロジーズ 松本光吉氏

 執行役員 副社長の松本光吉氏(データセンターコンピュート&ソリューションズ事業統括)は、2020年9月10日に米国で発表されたDell Technologiesの事業方針「新しい時代を勝ち抜くIT変革の4本柱」(「ITの競争力強化」「DXの実現」「デジタル競争力の確立」「社会インフラの変革」)に取り組んでいくことを確認した上で、「正しいレールの上に乗っていたとしても、速く目的地に着けるかは別。時間軸が大切だ」と指摘、「日本のDXを推進するため、顧客企業の意思決定の時間を短縮したい」として変化の速さを重視する姿勢を明確にした。

サーバ事業の5つの新施策の概要

EPYCプロセッサ搭載モデル、vSphere Bitfusionの供給もスタート

デル・テクノロジーズ 上原 宏氏

 同社の執行役員 製品本部長 データセンターコンピュート&ソリューションズ事業統括の上原 宏氏は、前述の5つの新施策についてそれぞれ紹介した。

 「製品ポートフォリオの拡充」は、Intel Xeonプロセッサに加えてAMD EPYCプロセッサ搭載モデルを拡充し、「全ての用途とIT環境において、2つのプロセッサメーカーの最新技術を幅広く提供」する。

 また、VMwareが提供するGPU仮想化技術である「vSphere Bitfusion」についても同日付OEM提供をスタートした。サーバに搭載される管理プロセッサ「iDRAC(integrated Dell Remote Access Controller)」や統合管理コンソール「OpenManage Enterprise(OEM)も機能を強化した。

消費モデルの概要。基本CPU利用ラインを70%、75%、80%のいずれかから選択して月額料金を固定する。ピーク時は100%まで利用可能とし、基本CPU利用ラインからの超過分に関しては従量課金となる。使用率は管理プロセッサであるiDRACが測定する。事前に適切な使用率を決定する必要があるため、アセスメントやコンサルティングのサービスも提供される予定だという

 「消費モデルの導入」は、サーバを消費(Consumption)モデルで利用可能とするもの。米Dell Technologiesは2020年10月に同社の全製品をas a Serviceモデルで利用可能とすることを目指す“Project APEX”について発表していた。まずはStorage as a Serviceから提供開始するとされているが、今回の発表はこうした全社方針に沿って、サーバ製品群の一部で部分的に先取りする形で提供するものだ。今回は対象モデルを「PowerEdge R640」「PowerEdge R740」「PowerEdge R740xd」の3機種に限定する。構成は「S、M、L」の3タイプから選び、コミットするCPU利用率も「70%、75%、80%」のいずれかとなるなど、簡略化された形になっている。

価格改定の概要。HCIやスケールアウト型分散ストレージなど、PowerEdgeをコンポーネントとして利用している製品にも価格引き下げの効果が波及する

 一方、コミットする契約期間が36カ月なのに対し、コミット契約額は33カ月分の金額で3カ月分のディスカウントが設定されるなど、価格面での配慮がある。システム納入後本格運用までのリードタイムの3カ月を見込んだ結果だという。

 「新たな価格戦略」においては、「PowerEdgeサーバの標準価格を1台あたり平均25%引き下げ」ている。細かく見ると、「サーバ本体 -30%程度」「メモリ -40%程度」「SSD -35%程度」など、コンポーネントごとに細かく値下げされていることから、構成によって実際の値下げ幅が異なるが、プロセッサとGPUは対象外となっている。

 この値下げについて松本氏は「実際の市場価格に近い価格を設定した」と説明している。従来は見積もりの際に値引き交渉があるため、購入するユーザーの視点からすると「提示されている値段は本当はまだ値引きの余地がある価格なのではないか」といった迷いが生じ、見積もり提示から購入決定までに時間がかかる傾向があったという。同氏はこうした点も日本のユーザー企業の意思決定が時間を要する原因の一つになっているとの認識から、実勢価格に近い値段設定にしたという。

 「顧客サポート力の強化」については、同社の「宮崎カスタマーセンター」におけるテレワーク対応、「販売エコシステムの強化」ではストラテジックパートナーの製品のOEM提供を拡大するなど、ワンストップでの提供を強化する取り組みを紹介した。

「『新しい時代』の顧客のための施策」であり、これらの取り組みを通じて「サーバビジネスについても選ばれるベンダーとして継続したビジネス成長を目指す」(上原氏)

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