Linuxサーバが標的 検出しにくいマルウェア「DreamBus」

Linuxサーバを標的とした「DreamBus」と呼ばれるマルウェアおよびそのマルウェアで構成されるbotネットについてZscalerが注意喚起を発信した。現段階でセキュリティ製品の多くがDreamBusモジュールを検出できていないという。

» 2021年01月26日 14時55分 公開
[後藤大地有限会社オングス]

 米国のセキュリティベンダーZscalerは2021年1月22日(現地時間)、Linuxを標的としたマルウェア「DreamBus」およびそのbotネットについて注意喚起を促すレポートを公開した。このマルウェアは一連のELFバイナリ*とシェルスクリプトで構成されたrマルウェア「SystemdMine」の亜種とされている。Zscalerはセキュリティ製品の多くがDreamBusモジュールを検出できないと指摘し、注意を呼びかけている。

Zscaler is revolutionizing Internet security with the industry's first Security-as-a-Service platform Zscaler is revolutionizing Internet security with the industry's first Security-as-a-Service platform

* ELFバイナリ:Executable and Linkable Formatのこと。各種オブジェクトやライブラリとリンクした実行可能なバイナリのことを指す。詳しくは「実行ファイル形式のELFって何?」を参照。


 DreamBusはワームとしての特徴を備えており、さまざまな方法を使ってインターネット経由ないし内部ネットワークにおいて、横方向へ広がる機能を持つ。侵入する標的や使われる手法は、SSHやIT管理ツール、アプリケーションの脆弱(ぜいじゃく)性、暗黙の信頼、脆弱なパスワードの組み合わせ、クラウドベースアプリケーション、データベースなどが挙げられている。DreamBus自体がモジュラー形式の構造を取っており、さまざまな機能を後付けできる仕組みになっており、拡張性が高い点も特徴とされる。

セキュリティ製品での検出が不十分な可能性、攻撃が長期間に及ぶことも

 このマルウェアは拡張性が高く、開発者はプログラムのメンテナンスを継続している状況だという。

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