デンソー「DX相談窓口」の仕事とは? 「なくす、へらす、かえる」組織の仕組み(2/2 ページ)

» 2021年02月18日 08時00分 公開
[指田昌夫ITmedia]
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DX推進とカイゼン活動、どこが同じで何が違うか

2 NTTデータ 中川拓也氏

 本講演のガイド役を務めた、NTTデータの中川拓也氏(社会基盤ソリューション事業本部 ソーシャルイノベーション事業部)は、デンソーの取り組みについて「情報公開、技術支援、コミュニケーションの3点について、RPA事務局が効果的な現場へのサポートを担っている。特に素晴らしいのは、700人を超えるコミュニティーを持ち、各ユーザーが自発的に活動していることだ。仕組みの整備と同時に従業員の気持ちを高める取り組みを実行していることが成功の要因だ」を評した。

 中川氏はNTTデータでRPAやAIによる業務自動化を10年以上研究してるという。その知見から導かれた、業務自動化の定義と取り組み方を次のように話した。

 「KAIZEN(カイゼン)と聞くと、(大量生産時代の製造業の勝ちパターンとしてのイメージから)古いフレームワークのように見えるかもしれない。私たちがRPAをはじめて日本企業に持ち込んだときも、同様の反応だった。『業務の自動化は既にやっている』『今さらやるところがない』といわれていた。だが今では約4300社が業務の自動化のためにRPAを導入している。RPAは、『既にやっている』と思われてきた領域に潜む非効率を見つけ出して効率化できるところが多いツールだ。まだまだ伸びしろが大きい」(中川氏)

1 (講演資料より)

 一般的に、日々の延長線上でのカイゼンは、大胆な変革を求めるDXとは「一見すると相反するものと思われがちだが、実は密接な関係にある」と中側氏は指摘する。

 DXの本質は、デジタル技術でイノベーションを起こし続ける組織に変容することにある。一方のカイゼンは、目標を定めて現状を把握し課題を発見、解消する組織の継続的な取り組みだ。

 「DXで何をすればいいか分からないという組織にとって、カイゼンのフレームワークは道しるべになる。日本企業になじみのある『なぜなぜ分析』や『ムリ、ムダ、ムラの解消』といったカイゼン活動の方法論でやり切ることが重要だ」(中川氏)

DX推進とカイゼン活動の違いはどこにある? KAIZEN2.0の実現ステップは

 カイゼンはDXの道しるべになるとはいえ、DXは今までのカイゼンと違う点が2つあると中川氏は分析する。

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