Microsoftが近く公開すると言われている「Cloud PC」。その中身や名称に見えるMicrosoftの姿勢には、Windows 10の新しいステージのヒントがあります。Microsoftは今まで私たちがオフィスでPCを使っていた業務を一体どう変え、何を提供しようというのでしょうか。
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皆さんこんにちは。横河レンタ・リースで、ソフトウェアの製品開発を担当している松尾太輔です。「Windows 10」の運用にかかわる課題を取り上げてきた本連載も、いよいよ最終回を迎えました。今回は、Microsoftの新たな動きをヒントに、今まで見てきた「Windows 10」の未来を探りたいと思います。
突然ですが、皆さんは「Cloud PC」――、この古くて新しい呼称をご存じでしょうか。2020年末には幾つかのIT系Webメディアで報道されたので、目にした方もいるかもしれません。Microsoftの求人Webサイトには、定額制の「Windows Virtual Desktop」(WVD)としてCloud PCが記載されています。WVDは、Microsoft Azure(以下、Azure)のリソースを使うDesktop as a Serviceの方のDaaS(本連載でもたびたび登場するDevice as a Serviceではない)で、従量課金制です。これを月額定額制にしたものがCloud PCといえます。
実は、Cloud PCという呼称を聞いたとき、私は一種の違和感を覚えました。最近、MicrosoftはWindowsさえ「PC」と呼ぶことを避けているように感じていたからです。アップルがMacシリーズをPCと呼ばないように、PCという呼称は、タブレットやスマートフォンなどを「スマートデバイス」と呼ぶのに対して、どこか古めかしい印象を与えます。そこでMicrosoftは、Windowsのことを「デバイス」や「エンドポイント」などと呼び、PCと呼ぶことを避けていました。それなのになぜここに来て新しいサービスの呼称がCloud PCなのだろうか、と違和感を覚えたわけです。
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