食料流通に混乱 JBS Foodsへのサイバー攻撃に見るナショナルリスク

米国をはじめ、オーストラリアやカナダなどで牛肉の生産などを手掛ける国際企業であるJBS Foodsがサイバー攻撃を受け、工場の操業を一時停止するなど影響が出た。FBIは一連の攻撃がランサムウェアによるものだと特定している。

» 2021年06月03日 16時50分 公開
[後藤大地有限会社オングス]

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 米国やオーストラリア、カナダなどで牛肉の生産を手掛けるJBS Foodsは2021年5月30日(現地時間)、米国拠点であるJBS Foods USAが組織的なサイバーセキュリティ攻撃の標的になったと発表した。このサイバー攻撃によって北米およびオーストラリアのITシステムを支える一部のサーバが影響を受けたと報告されている。

 同社はサイバーセキュリティ攻撃が発覚すると直ちに対応をとり、影響を受けた全システムを停止し、当局に通知するとともに、「同社のIT専門家および第三者の専門家によるグローバルネットワークを活用して問題の解決に取り組んでいる」と伝えている。同社はバックアップ用のサーバは影響を受けていないとして、可能な限り迅速にシステムを普及するように努めると説明している。

 JBS Foodsは2021年5月30日(現地時間)の時点では、顧客やサプライヤー、従業員のデータが侵害されたり悪用されりした証拠は見つかっていないと説明している。ただし、この問題を解決するには時間がかかるため、顧客やサプライヤの一部の取り引きが遅れる可能性があると説明している。

JBS USA Cyberattack Media Statement JBSの発表内容(JBS USAのWebページより)

2日後に工場の一部再開と再出荷を開始も、詳細は不明

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